3話目
3話目です!
いたい
《……!…?………………!!!》
とおくからこえがする
《…か!?大丈夫ですか!?今救急車呼びます!》
いたい いたい
《お、おれ。わざとじゃっなくて…どっどうしよう。やばいやばい》
いたい いたい いたい
《救急です!聞こえますか?名前言えますか》
いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい
…さむい?
《、、、さん!聞こえますか?病院ですよ聞こえますか?》
いたい さむい
あれ?いたくない。さむい。
《すぐ手術室に!急げ!》
なにもかんじない
さっきまで何かを感じていたのに。今は何もできない。感じない。意識がぼんやりする。どうすればいいんだろう。何をすればいいんだろう。
「こんばんは」
その言葉を理解するのに数秒かかった。
そして自分の状況をぼんやりと確認する。
俺はなぜかパイプ椅子に座っていた。
霧が晴れないような頭の中にスーツから匂う俺の愛用のタバコの匂いで少し意識を近づけさせる
そこから声のする方に顔を向けると俺が今までに出会ったことの無い綺麗な人間がいた。その人は俺に言う。
「私は送り人あなたをお迎えに上がりました」
しばらくの沈黙が流れる。
俺はその時はぼんやりとしながら誰?となっており声も出せていなかった
「おや?大丈夫ですか?」
「……」
その人は何かを理解したのかポンっと手を叩いた。
「これは、死んだショックで少し混乱しているようですね」
死んだ…死んだ?俺死んだのか?
「うーむ。これは少し大変ですね。えっとこの時の対処法は、」
その人は手を3回たたいたあと分厚い革の表紙の本を手元に出した
それを見て急に本が現れたことに驚いた。
そして目の前の綺麗な人…もとい送り人?さんを見つめる。本を必死にめくっていて「えーっとここは私の紅茶のページ、ここはこれは死後の基礎知識について、今見たいのは記憶についての対処法のことで…」と今いるか?みたいなページも見ていた。
俺は送り人、さんに声をかける
「ぁノ」
声が裏返ってしまったさっきまで友人たちとふざけてたせいだろうか
送り人さんは気付かずに「んーとこれじゃなくて」とページをめくっていく
俺は声の調子を整え「あの!」と声をかける
送り人さんは「はい!」と答え驚いた様子で本から顔を上げる
俺の顔を見て「あっ失礼いたしました。話せなくなってしまったと思っていました」
と言いその本を中に投げたかと思うとふわっと浮いたあとスっと空気にとけるように消えてしまった。俺は驚きつくも
「あっいえ大丈夫です。さっきまで話せなかったのは事実なので」
その焦った様子に俺はドキッとする
そりゃそうだ人生1回も見た事のないような美しい方が可愛い行動をしているのを見てしまっているのだから
「お名前分かりますか?」
「あっはい。えっと…あれ?」
「思い出せませんか?」
「はい、、あれぇ?俺誰だっけ?」
俺は名前と一緒に何をしていたか思い出そうとする
確か今日はえっと仕事をしてそれが終わってその後。そうだギター、ギターを弾いていたんだ!それで仲間…と一緒に小さいライブハウス借りて。んでいつものファンといつものようにふざけながら楽しんでいてんでもう時間だから帰ろうって言ってんで……あっ
その瞬間思い出す
体に受けた衝撃。言葉にできない痛み。誰にも伝えられない苦しみ。
どうしようってしぬんだってなってそれで……!
「あっ、あー、がはっはっはぁはぁはぁはっはっはっ」
息ができなくなる。先程までいつものようにで来ていたことができなくなってしまいその場にうずくまる。
「(どうしよう!どうしよう!?)」
またさっきのようなことが起きるのではないか、また辛い思いをするのかその恐怖がぐるぐる心にうずまいて気を離しそうになった時
「大丈夫ですよ」
ふわりと俺の前にしゃがみ俺の手を取ってくれる送り人さん。
「大丈夫です。先程のことはもう起きません。あなたはもう守られています大丈夫です。」
優しい笑顔で左手で俺の手を握り右手で俺の背中をさすってくれる。
この人は俺の心を読んでくれているのか?不安が少しずつ溶けていく
「すってーはいてーすってーはいてー」
「ぅっグッっス、ーっハー、すっ…ハー。スーハー」
荒れていた呼吸を送り人さんがタイミングを教えてくれるおかげで安心感と冷静さを取り戻した俺は涙を流しながらも心を落ち着かせられた
「すーハー。あ、ありがとうございます。もう…大丈夫です」
「呼吸しっかりできてますね良かったです」
送り人さんはそう言いずっと俺の背中をさすってくれる
心にも余裕ができるのが少し冷たいけど心地よい空気が体に入ってくれるから分かる。
「本当に大丈夫です。ありがとうございます。」
「分かりましたまた無理な時は言ってくださいね」
その優しい言葉で俺の顔は笑顔になっているだろう。
久しぶりだこんなにも寄り添ってもらえていると思う気持ちは
送り人さんは少し間を置いて話しかけてきた。
「お話してもいいですか?」
「あっはい!大丈夫です」
「では先に質問なのですがどこまで覚えていますか?」
「……車とぶつかって途切れ途切れですが誰かが助けようとしてくれてたと思います。でも」
「でも?」
すぅっと息を吸い確認するように問いかける
「俺死んじゃったんですよね?」
「はいそうです先程あなたは車との接触事故で体に大怪我を負いそして亡くなりました」
その淡々とした言葉に息を止めてしまう。その言葉には真っ直ぐで嘘はないと確信させられる。
思い出したから。死ぬ瞬間を。命を手放す瞬間を。
「…あんなにあっさりと人は死んでしまうんですね、、」
「えぇ人は人が考えるほど脆く弱いものなんですよ」
脆く弱い。本当にそうだ。こんなにも呆気なく死ぬ。数十分前まで仲間にまたなと再会を約束したのに。
「俺…嘘つきになっちまったな」
「嘘つき?何故ですか?」
送り人さんは不思議そうな顔で俺に問いかける
俺は静かにスーツ左の胸ポケットから愛用のタバコとライターを出し慣れたように着火し肺の奥まで吸いため息とともに吐き出した
「はぁ…すみません一服させてください」
「大丈夫ですよ」
ほんとに、送り人さんは優しいな最近ではタバコ毛嫌いされて嫌な顔るのに。
ゆっくりとタバコの味を噛み締めるように吸い優しく煙を吐き出す
そして独り言のように送り人さんに話す。
「俺死ぬちょっと前まで仲間とライブしてたんすよ。まあ某ミュージャンの曲を引いたり高校の時に作った厨二病真っ盛りの歌を作ったのをどんちゃん騒ぎでやってたんすよ」
「楽しく演奏するところ見ましたよ」
「え?見てくれたことあるんですか?」
俺は驚いた。何人かしか人は来ておらず顔見知りだから来る人は覚えやすい。ましてやこんな美人さん来たことあるか?と思った。送り人さんはそんな俺にどこか懐かしむ顔で「えぇ。明るい陽のもとに生まれた明るい男の子と少しだけ」と言った。
「あはは!まさか見てくれてたとはこれは少し恥ずかしいですね」
少しの羞恥心と見て貰えたという嬉しさで腹を抱えて笑う。どこかおかしくなったのだろうか。それを気にせず笑い続けふと自分の顔が窓に映し出されているのに気づいた。
その顔は成人後の疲れきった社会人としての愛想笑いとかではなく高校の頃の明るい笑顔だった。こんなに楽しく笑ったのはいつぶりだろうか。もうずっと見ていなかった顔。いつもいつも人生が楽しかった頃の笑顔。
「楽しそうに笑いますね」
送り人さんはどこか不思議そうな顔をしていた。
「いやぁ。もう死んだんだからもう…なにも演技しなくていいっすよね」
俺は新しいタバコを口にくわえながら火をつけようとする。だが前がよく見えなくて、手元に水が落ちた時やっと涙を流していたことに気づいた。
涙を袖で拭おうとしても新しく溢れてくる。拭って拭って拭っても止まらない。口にくわえたタバコは地面に落ちもう使い物にならない。
本当はタバコなんて好きじゃない。
本当は貼り付けたような笑顔にしたい訳じゃない。
本当は、本当は
俺は送り人さんに涙でぐしゃぐしゃで笑っている俺の顔をみてどこか悲しそうな顔をしている。この人なら受け止めてもらえるかもしれない。俺の気持ちを。本当の言葉を。
俺は何年も閉ざしていた本音を演説のように堂々と叫ぶように届くように独り言のようにでも話しかけるように口に出す
「俺!!…もっと本当はガキでいたかったんですよね。仲間…高校の頃のダチなんですけどあのライブのようにどんちゃん騒ぎしてたんすよ。年に数回集まってできること夜だけのこと。朝になったら社会の波に自分で溺れに行かないと行けなくて、でもずっとあいつらと会ってずっと仲間のままで年寄りになってもずっと音楽を一緒にやろうって約束。守れなくなっちゃったんすよ」
送り人は男性の悔いのないように言葉を空に溶かす様子を優しく見守る
「もっとみんなと遊びたかったです!もっと…グス。もっとガキのまんまでいたかった。一緒に馬鹿みたいなことを楽しんでいたかったです」
言葉をやめても涙が止まらない。死んだという実感が今更やってきた。もう会えない旧友ともうはたせない約束を。
しばらく泣き続ける俺。そんな中
「……よ。」
なにか送り人さんは呟いた。俺はえっと思いながら顔を見る。
どうしてだろうか。涙が止まらない。どうしてあなたはそんな顔をするのか。
そんな送り人さんの悲しい顔を見つめてしまった。
その様子に気づいた送り人さんはハッとした顔になり「いえなんでもないです。」と言い「もう大丈夫なんですかと」問いかけてきた
「?。あっもうすみません。また泣いちまった。」
「気持ちを素直に言葉にできるのはいいことですよ」
「あははありがとうございます」
俺は送り人さんに了解をとりタバコを取りゆっくりと吸った。
最近の落ち着く方法だからだ。
これが1番になってしまったのがどうしようもない。
最後の一吸いをし、気持ちを切り替えるように足で踏んでケースに片付ける。そして待ってくれてた送り人さんに聞く。
「送り人さん俺これからどこ行くんですか?なんか三途の川とかです?」
「あっいえこれから私の部屋に向かい面談をします。天国の地獄の行き先を決めるのに必要なことなので」
「ほうほう」
「その後は私の面接の情報を審判官が見て行き先を決め死後の世界の道へ進みます」
「俺はどっちの方に行くか分かりますか?」
「そうですね」
送り人さんは2回手を叩きポン!っと言う音と共に焦げ茶の革表紙の本が現れる。革靴の色に似ているな。
ペラペラとめくり少し悩んでいた送り人さん。「そう、ですね。私の独自の判断ですけど天国だと思われます。昔ヤンチャしていたようですが悪いことは特にされてないので」
「え?それ俺の情報乗ってるんですか?」
「えぇあなたの人生情報まるまる乗ってます」
「へぇ。見てもいいですか?」
気になった俺は無意識にその本に手を伸ばす。
「ダメです」
送り人さんはその本をギュッと抱きしめるように中身を見せないようにした。
「拒否早いですね」
送り人さんは真面目な顔でこう答える。
「これはただの人が見ては行けません。死後の世界の仕事を任されたもののみが見ることが可能です。つまり本人にも見せてはいけない。そういう条件なのです」
それを聞いた俺はそんなルールがあるのだなと思いすぐに謝罪をする。
「すみません。興味本位でした。」
送り人さんは少し困った笑顔になりながら「大丈夫です。わかってます。この仕事をし始めてからこの見せてくださいという会話結構してるんですよね」といった。
少しため息をつく送り人さんだったがすぐに微笑んだ顔に戻る
「さて。これからどうしますか?長い時間はダメですが行きたいとこなら行けますので」
急に言われてもと思いながら考える。そして1個出てきた。
「あーじゃあ」
俺はリクエストをしあるものを持って2人はある高校の屋上に空からふわりと着いた
「おっとっと」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫です!いやぁ初めて空を飛びました結構怖いけど爽快感凄いですね」
「私も慣れるまで大変でした。」
「また飛べますかね?」
「天国ならどこででも」
「じゃあ練習できるな。でもその前にこの世界にお別れだ。」
そういって俺は先程屋上に来る前によったまだ人が集まっていた事故現場に残っていたギターを持つ
「俺のここで最後のライブ見てくれますか?」
「よろこんで」
俺は素早く調整をして仲間との思い出の曲を歌う。
それは完璧では無い。だけど心の底から楽しく歌っていた。
あの頃を思い出すように、あの頃の記憶を現世に忘れずに置いていかないようにするために。
一生懸命に。
そして曲が終わった
「ありがとうございました」
俺はたった一人の観客にお辞儀をする。パチパチと拍手をしてくれる送り人さんは「楽しくなれる演奏でした」とにっこりと笑ってくれた。その感想を聞いて思い出と嬉しさと少しのさびしさを抱えながらとってもたのしかったです!」と誰よりも負けないような笑顔を送り人さんに向けるのだった。
時は少したち送り人の部屋にて
「こちらダージリンです良かったらお飲みください」
「あっありがとうございます。」
暖かい部屋の中シンプルなティーカップの中にある紅茶を1口飲む。フルーティーか香りと爽やかな渋みが喉を潤した。
ほっとする気持ちの中「それではよろしいでしょうか?」という言葉に「よろしくお願いします」といった
送り人さんは本を読みながらゆっくりと言う。
「では…斉藤武さん。あなたの家族は父と母の2人。もう天国に先にいらっしゃるですね。あなたは32歳で会社員。旧友たちとの楽しい時間を過ごしたあと不慮の事故でなくなってしまいました。」
そうだ。武それが俺の名前だ。
「はい。そうです」
「私は送る者。あなたの未練を解消しあなたを次の所へ安心して送ります。何かやり残したことはありませんか?」
その問いに俺は「ないです。さっきやったライブでらスッキリしましたし」という。「それに」
「それに?」
俺はニカッと笑いながら
「天国であいつらとライブできるなら練習しとかないとなんで!それを楽しみにのんびり過ごします!」
送り人さんはは驚いた顔をしたもののすぐ笑顔になり「とても上手になってお仲間さんを驚かせてあげてください」そう俺に答えてくれた。
扉まで来た2人
送り人は武に小さい紫の花を渡す
「これ可愛い花ですね」
「あなたにぴったりですよ」
「えぇ?こんなに可愛いいやつがですか?」
「ええ。とっても」
「あはは!じゃあこれを家族と一緒に見ながら友を待ちますよ」
「はい。では良い時間を」
「はい!ありがとう送り人さん!」
その言葉を最後に武は白い扉をくぐる白い空間に歩き始める。ふと後ろを見ると送り人さんが見えたため俺は大きく腕を振る。
送り人さんも胸元で小さくだが振り返してくれたのを見て家族が待つ所へ向かうのだった。
「きっと約束は叶えますよ。……私と違ってね…」
そんなことを言いながらソファに座りリラックスをする。そしてまた玄関の扉のベルがなる。
送り人はすぐに支度をし次の所へ向かう
「私は送り人。あなたをお迎えに上がりました。」
ツルニチニチソウ
花言葉「優しい思い出」「楽しい思い出」「幼なじみ」「生涯の友情」など
彼にピッタリだと思いませんか?
おしまい
いかがでしたでしょうか?
また書いたら投稿しまあす!
ではまた!




