フラットコーク
「~と。まあこんな感じでどうでしょうか?」
「確かに文化祭に合わせて接触してくる可能性が一番高そうだね。そのタイミングなら蒼も一緒に連れ出せるだろうし…。」
「はい。ただ相手の目的が不明なのでまだ何とも…といった感じではありますが。それにこの前追いかけられた時に地元の人間との関係もアピールできたので誰かと一緒にいれば警戒すると思います。」
誰かと一緒に…か。
「誰かってクラスの子ともまだ休日に一緒に遊ぶほど仲良くないし、紗良はまだカウンセリングがあるし…。」
そう…。紗良はK市での事件の時のトラウマがまだ残っている。今負担をかけすぎるわけにはいかない。
「…先輩。一つだけ方法があります。」
「何?」
「僕と恋人になりませんか?」
「へ?」
コイビト?恋人っていった?えっえ!どういうこと!?
「ええっと…いやいや。ちょっと待って!ちょっと!?」
恋人ってつまりは外に行くとき中島君とずっと一緒にいるってこと!?この頭のネジの外れた子と?いやいや。
むり!
「ええっと。お誘いはありがたいのですが…お断り
「先輩!僕は先輩たちを守りたいんです!先輩たちは今こっちに引っ越ししてきてすぐでこの辺りの道に詳しくない。それに加藤の知らない人間が近くにいる方が奴も警戒するはずです。」
「いや…でも…」
「フリだけでいいです。加藤からそういう風に見えればそれだけでずっと警戒するはずだ。」
「…」
う~ん。そうかも…しれない。それだったらありかも?
「先輩には僕が必要なはずです!」
あ~もうっ!
「わかった。じゃあ一旦そういうことで…。」
は~なんでこんな子と…。
「ええ。ではひとまず外に出るときは僕を呼んでください。基本ずっと家にいますので…。」
あははははは。ボッチだもんね…。
「…はー。…じゃあよろしく。」
ボクはため息交じりに承諾した。
いやー。どうしよっかな~。
「では、登下校と家族以外と出かけるときに声をかけてください。家も近くですしね。」
「うん。わかった。そーするよー。」
あー。めんどくさい。なんでこうなったの?
これも全部あのクソ加藤のせいだ。絶対に追い返してやる!
「さて。これからですが、ひとまず今言った物を買いに行って帰るといった感じにしましょうか。」
「いや。まだ時間30分くらい残っているでしょ?歌ってからにしようよ?」
「え?あ…はい。分かりました。」
ボクには今お金がない。何せ前のママが教会に使い込んでしまったらしい。だからボクは今、一銭も無駄にしたくない!
「じゃあ曲選ぼっか。」
ボクは曲を選択したのちコーラを一口飲んだ。
あっま!炭酸抜けてる。これじゃ砂糖水だよ。
ボクはそのただ甘いだけの液体を喉に流し込み、口の中全体を甘味が支配していくのを感じた。




