中島君
後日、日が昇り部屋全体が暖かくなり始めた頃、ボクは自分の部屋で今の状態についてノートにまとめていた。
ええっと今ボクは能力者であることを知っているのは神戸の「先生」とおそらく中島君とあの男と教会の上層部の数名かな?
で、さらにその詳細を把握しているのは「先生」と中島君だろう。少なくとも昨日あの男から逃げる際にそれを後ろから確認していた。彼ならその情報から彼の能力を推測することができるだろう。
…というか彼って何かの能力者では?未来予知とかの…
まあ昨日ボク達をあの男から逃がした…。だから敵ではない…と思う。それに警察に通報したのもおそらく…。
なんかボク、中島君に介護されてない?
「は~。どうしよっかな~。」
「森田くんのこと?」
深くため息をつくと隣の部屋にいる紗良にまで聞こえたらしい。
これ全然プライベート確保できてないじゃん。
「違うよ。」
「え~嘘だ~。」
「ちょっと考え事するから静かにしてて。」
「え~気になるのに~。」
紗良はこういうことに関してはよく首を突っ込んでくる。前の学校でクラスの恋愛相関図を作ってよくクラスの子の恋愛相談に乗ってたっけ?
こっちとしては余計なお世話だよ。
それはそうと、中島君はどこまで知ってるんだろう?
一昨日の時点で何か違和感があると言っていた。
昨日の朝は何か誤魔化している様子だった。まあそれに合わせて能力で違和感を上書きしたけど…。
昼頃は…特に変な反応はなかったはず…。あの子の推理が早すぎるのを除いてだけど…。
放課後はやっぱり様子が変だった。まるで内容が頭に入ってないみたいな…。能力が解けたのか?でもそんな事例は今まで……。
う~ん。
わからん。
とりあえず、ボクに何か魔法のような力があるって言うくらいの認識を持っているって言う仮定で待っていようか。
さて、そろそろ…
ピーンポーン
ほら来た。名探偵のお出ましだ。
「紗良。ボクが出るよ。」
「わかった。」
インターホンの前まで行くと画面には最近見た顔が映り込んでいる。
ボクは通話ボタンを押す。
「はぁい。どちらさまかな?」
ボクはお婆ちゃんの声真似をしながら話しかける。
後ろでブハッって音がしたけど気にしない。
「……。クッ。ヴッウンッ。」
おや?笑った?
あの何に対しても無反応の中島君が?
「……ボッチーマウスだよ!ハハッ!」
「ちょっヒッヒッヒッヒ…。ちょっ中島君…ヒッそ…それは…」
ボクが渾身のギャグを披露すると中島君はそれを大幅に超えるギャグをかましてきた。
おかげでそれを聞いていた紗良がお腹抱えて過呼吸になっている。
おい中島!これどうすんだよ!




