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愚者の烙印~異能者の原罪~  作者: 風太郎
告白

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24/39

普通

『ただいまー。お帰りー』

蒼を迎えに行った後、中島君と別れ、ボク達は新しい家に帰った。

パパと紗良のママは共働きでもう少ししたら帰ってくる。

「じゃあボクは洗濯物するからいつも通り紗良と蒼はご飯をよろしく~」

「は~い。蒼くん返事は?」

「はーい。」

蒼は素っ気なく返事をする。

照れてるのかな?

「いや~蒼はいっつもかわいいお姉さんと一緒でしあわせだね~」

「ちょっと!あんまりいじめたらだめでしょ!」

「…。別にいつものことだし…」

蒼は歯切れの悪そうに答えるが耳は赤く染まっている。

いや~照れ屋な弟ってかわいいね~。


「紗良!ちなみに今日は何作るの?」

「冷蔵庫何あるかなー?昨日はハンバーグだったからー。今日は…。」

窓から部屋を覗いてみると紗良が冷蔵庫を物色しその隙間に蒼は顔をねじ込んでいく。

「ハンバーグがいい。」

「いや、それはないから!」

蒼の提案に思わず突っ込んでしまった。

さすがに4連続ハンバーグはないよ…。


「それだと栄養が偏りすぎだから別のにしよっか。え~っと何がいいかな~」

「…。ハンバーグがいい。」

…。どうやら蒼の頭はハンバーグのことで頭がいっぱいみたいだ。

もはや「ハンバーグがいい」しか喋らないハンバーグおねだりロボットになってしまっている。

ハンバーグおねだりロボットって何だ!

セルフ脳内会話でツッコミを入れながら取り込んだ洗濯物を取り込んでいく。

「え~っと挽き肉と卵があるわけでしょ?野菜は?」

「キャベツ、白菜、人参、大根がちょっと…あとは…」

「にんじんきらい。」

…。そろそろ蒼の人参嫌いもなんとかしないとな~。

「じゃあ回鍋肉の豚肉じゃなくて卵版はどうかな?人参もちょっと混ぜて。」

「うん。じゃあそうしよっか!蒼!白菜とキャベツと人参出して!」

「…。にんじんきらい。」

「はいはい。わかったから手伝って?」

紗良に促され渋々蒼は椅子を冷蔵庫の前まで移動させ始めた。

なんだかんだでいい子だね~。

「よし!じゃあボクも頑張っちゃおっかな~。」

そうわざとらしく気合いを入れるとボクは洗濯物にアイロンをかけて畳んでいく。

えっとこれはパパのでこれは紗良ママの…

「おねえちゃん。」

「なに?蒼?」

突然お手伝い中の蒼に声をかけられた。

「なんでさっきは"わたし"だったのにいまは”ボク”なの?」

蒼のその言葉を聞いた瞬間、ボクは心の底からマグマのように煮え滾る怒りが湧き上がってきた。


「…。蒼。それは気にしなくていいから。手伝って?」

「…。うん。わかった。」

そう言うと蒼は少し不満げにまたお手伝いに戻った。

…。

分かってる…。蒼はわざと聞いたんじゃない…。わざとじゃない…。

ボクは何度か深呼吸をする。

大丈夫…。大丈夫だよ。

今は家の中だ。あそこじゃない…。

ボクはそう自分に言い聞かせ、再び洗濯物畳んでいった。


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