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愚者の烙印~異能者の原罪~  作者: 風太郎
ドッペルゲンガー事件

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19/41

友情RTA

その日の朝、教室棟に入るとすでに数名の生徒が廊下を歩いている。

僕は教室に向かいおもむろに廊下を眺めていると胸ポケットに金属の留め具を付けた男子生徒が通り過ぎていく。

あれは…万年筆か?あの生徒あんなの持ってたか?いつ買ったんだ?


そんなことを考えながら朝礼までの時間をゆっくり過ごしていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


昼休み、昼食を食べた後1-4の教室に向かった。朝の男子生徒を探すためだ。

教室に入り中を覗き込むといた!手前から2番目の列の3~4番目だ。

僕は教室に入り男子生徒に話しかける。

「いい万年筆だね。どこで買ったの?」

男子生徒はゆっくりと僕の方を見ると自慢げに…

「かっこいいだろ?親に買ってもらったんだ!」

「へー、いいデザインだね!見せてもらっても?」

「ああ、いいぜ。盗るなよ?」

すると男子生徒は万年筆を胸ポケットから取り出し僕に渡す。

「へえ。この3色の光り方がいいね!同じような色なのに別に見える感じが…」

「そ、そうだろ!高かったんだから。」

男子生徒は自慢げに答えた。

「ちなみにどこのメーカー?」

「そ…それは~その~ひっヒミツだ!」

何かを誤魔化すように答える。

「僕は中島。3組だ。」

「俺は山本だ。」

山本くんか…。

「連絡先交換する?」

「…ああ。まあ、いいけど。」

するとスマホに通知が来ているのに気付く。

メッセージを見てみると

「2階に来て。名探偵くん」

そう書いてあった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



僕が呼び出して1分ほどすると男子生徒が現れた。胸ポケットに金属の留め具が見える。

さて、ここからどう返してもらおうか。

「それで?用事ってなんだよ。」

山本くんだ。細毛の天然パーマが頭に大きく盛られている。

「ああ。それで用って言うのはその万年筆のことなんだけど…」

山本くんはビクッと一瞬体を震わせる。

「ああ。…さっきの言ったがこれは親が買ったもので…」

「父親?母親?」

僕はさらに問いただすと

「…。そんなのお前にはどうでもいいだろ!!」

急に声を荒げ始める。その反応は自分が犯人と言ってるようなものなのだが…。

僕はすこし考え込む。

「…。山本くん…。実は昨日この先輩が教室に万年筆を忘れたみたいなんだけど…」

「…。いやしらねえって。」

山本くんはこのまましらを切る気のようだ。

「だいたい。机にものを置き忘れるなんてよくあることだろ?」

…。

「山本くん…。」

「なんだよ…。まだ何かあんのかよ?」

「僕はどこに万年筆を忘れたなんて話してないんだけど…。」

「…。うるせえ!」

山本くんは階段の方へと歩き始めようとすると、先輩に引き止められる。

「ちょっとまて!」

「なんですか!? っ!」

先輩が眉間にしわを寄せ顔を真っ赤にしている。

「その万年筆はオレのものだ。今すぐ返せ。」

「…。はい…。」

先輩に静かにそう伝えると山本くんは大人しく万年筆を返した。

山本くんは落ち込んだ様子で3階へと続く階段を登っていく。


「は~。ありがとう。助かったよ。」

「いえ…どうも…。」

ふと結衣先輩の顔を見ると目を逸らし顔を強ばらせていた。

「…。結衣先輩。どうしたんですか?」

「えっああっいや~。」

「?」

なんだその歯切れの悪い反応は?いつもならもっと悪ノリするんだが…。


「そういえば名乗ってなかったな!オレは森田 陽斗。生物部部長だ!」

「中島 悠斗です。ミステリー研究部です。」

僕はそう答えると

「ミステリー研究部?ああ。謎解き部ね。」

謎解き部…そう呼ばれているのか。

「これも何かの縁だ。まあ何かあったら頼ってくれ!」

森田先輩は教室棟の方へと戻ったので僕も自分のクラスの教室へと足を進める。

ふと結衣先輩を見てみると体を強ばらせ、目の焦点が合っていないように見えた。

大丈夫かあの人…。


中島「山本くん友達になろうぜ!」

山本「いいよ!」

ー10分後ー

中島「僕たち絶交しようぜ!」

山本「いいよ!」

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