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愚者の烙印~異能者の原罪~  作者: 風太郎
ドッペルゲンガー事件

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12/48

家族

「違和感?」

紗良先輩が聞き返す。

「はい。さっきの説明は確かに筋は通っていて矛盾しているところも見当たりません。ただ…」

僕は冷静に、しかしはっきりと口を開く。

「『何か』がおかしいんです。」

そう。この違和感の正体がずっと引っかかっていた。何がおかしいのか分からないがとにかくおかしい。そう僕の直感が訴えかけている。刑事ドラマでもよく直感を信じろって言うしな。

「『何か』って何?」

「わかりません。先輩方は何か引っかかったこととかありますか?」

「うーん。別にないかな。」

「…。いや…。私は特に。」

先輩方はそう答えたが僕が後ろにいるせいで表情が読み取れない。

「今まで何か身の回りで性格が突然変わったように感じた人はいますか?」

「う~ん?」

「例えば中学の同級生とかで。」

僕がそこまで言うと

紗良先輩が思い出したかの様に答える。

「ああ!そういえば中学校の時、私がクラスの男子に嫌がらせを受けてたときに結衣がかばってくれたっけ?」

「えっああ、うん。そんなこともあったよね~。」

「その日には先生に連れられて謝ってくれたんだけど、次の日に急に私にすごい優しくなったんだよね。」

……。

「まあそんなこともあるよね~。あっもうすぐ小学校だね!」

僕たちは小学校の駐車場に自転車を止めてロックをかけ、校舎の西側の建物に向かう。

まるで誰かの別荘の様な建物はこの小学校の学童だそうだ。

紗良先輩はその建物の中に入り、中の職員に声をかけると身長が紗良先輩の胸の下あたりの高さの男子児童が出てきた。

紗良先輩に連れられ男児がこちらに歩いてくる。

「紹介するね!この子は清水蒼!私の弟だよ!」

その男児は髪は癖毛のある黒色で臙脂色のランドセルに黄色の帽子を引っかけていた。全体の雰囲気は結衣先輩と似ているが紗良先輩とは少し違う。

「…。」

蒼くんは紗良先輩の後ろに体を隠してこちらをジトッと見ている。

「こんにちは。僕は中島悠斗。よろしくね。」

僕はしゃがみ込んで目線を合わせ、声をかける。

すると

「あお。よろしく。」

そう返事が帰ってきた。

「じゃあ帰ろっか!蒼!行くよ!」

そう結衣先輩が声をかけると蒼くんは結衣先輩について行った。

僕と紗良先輩はそれを追いかける。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


僕は先輩たちと途中で別れ、自宅に向かう。あの後、僕たちはしばらく紗良先輩の缶バッチの話をしていると途中から慣れてきたのか蒼くんが話に加わってきていた。どうやら蒼くんは某妖怪アニメが好きなようだ。しかし先輩たちの関係性とはいったい?そんなことを考えながら自転車を漕いでいると自宅に到着した。


※最後のシーンについてですが蒼くんは決して中島君たちの自転車と併走しながら話していた訳ではございませんのでどうぞ誤解のなさらないようによろしくお願いします。


引き続き2025/12/09まで6:00投稿。同年12/10~12/12は21:20に自動投稿しますのでよろしくお願いします。

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