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愚者の烙印~異能者の原罪~  作者: 風太郎
ドッペルゲンガー事件

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汚泥

目の前にいる人物を観察する。

手を強く握りしめ声を荒げている。

顔を赤くしながら眉間にしわを寄せ、瞳孔は拡大している。

呼吸は…

「聞いているのか!」

ドンッ

机を叩きつける音で思考の世界から戻ってくる。

「お前やっていいことと悪いことも分らないのか!」

生徒指導室から廊下の端まで響くような怒鳴り声が響き渡る。

「なんでお前は岡本の財布を盗んだんだ?」

「盗んでない。見つけたんです。」

「じゃあ何で岡本のものだと分かった?」

「岡本さんが使っているのを見たからです。」

2時間目の体育が終わった後、僕らは1-3の教室に戻ってきた。次の授業の準備をし始めたとき、同じクラスの岡本さんの財布が紛失していた。それを僕、中島 悠斗が発見し、岡本さんに渡した。それを見ていたクラスメイトが僕が盗んだと騒いでいた。そこにこの教師、山田先生が現れ、昼休みに生徒指導室に呼ばれることになった。

「あのなあ。何でおまえがそんなこと知ってんだ!」

「さっき答えました。」

「…悪かった。先生はお前を責めたいんじゃない。理解したいんだ。分るだろ?」

どうも会話が噛み合っていない。お互いに信じている情報が違っているように感じる。特に山田先生は僕が財布を盗んだ前提で話が進んでいるが実際はそうではない。その情報を真実だと確信しているのはクラスメイトが僕が盗んだと騒いだからだろう。その誤解を解く必要がある。そのためには…

「この中島には夢がある!」

「…何言ってんだお前?」

「先生、僕の言うことを信じてくれますか?」

「やっと話す気になったか。言ってみろ。」

「まず前提として僕は財布を盗んでいません。」

「お前まだそんなことを言うのか!」

バンッ

脳の奥まで響く怒号にせっかく作った脳内フローチャートが焼き切られる。

「大体気を引きたいんだったら他のやり方もあるだろ!」

「…」

「もういい。お前は早く教室に戻って岡本に謝ってこい。」

「何をですか?」

「何をって、お前分るだろ!さっさと岡本に謝ってこい!」

「? わかりました。失礼しました。」

何がなんだか分らない。僕はただ岡本さんの財布を探して返しただけなのに。何を謝る必要がある?


教室に戻る途中で午前中にあったことを振り返る。

2限目の授業が始まる前、体育館の更衣室で着替え、体育の授業を行った。そこから教室に帰ってくると岡本さんの財布が行方不明になっていた。

岡本さんは同じクラスの女子から同調圧力やものを隠されるなど陰湿な嫌がらせを受けている。今回もそのグループが財布を隠したのだろうと予想した。

教室の中でものを隠せるとしたら机の引き出し、鞄の中、ロッカー、棚、ゴミ箱が主になるだろう。その中で引き出しと鞄は全員で調べたので、ひとまずロッカーを探すことにした。

引き出しを開けたが掃除道具しかなかった。

次は教卓の横にある棚を調べることにした。棚には昔使っていた教材やビデオテープ、色つきの画用紙などが入っている。棚を開けてみると見た感じ財布はないようだった。

ふと画用紙の入った段ボールの奥に目をやる。奥に隙間が空いている?

段ボールを動かすと岡本さんの財布があった。

どこか悪いところあったか?

現状はクラスメイトも僕が犯人だと決めつけているようだしひとまず謝るのが最適解か?


教室に戻るとすぐ近くに岡本さんのグループが集まって昼食を食べていた。何やらダンスやらショートやらの単語から察するにSNSにダンス動画を投稿するつもりらしい。盛り上がっているところを無視し岡本さんに背後から近づいた。

「岡本さん。」

ビクッとして背後を振り返る。そんなに驚かなくても。

「ごめんなさい」

「え?」

突然謝られて混乱しているようだ。

「財布の件。ごめん。」

「ああ。うん。」

ミッション完了。これで問題は丸く収まるだろう。さっさと弁当食べて昼寝しよう。

席に戻って弁当を準備し始めるとひそひそ声が聞こえてくる。

財布みつかってよかったね?盗んだの結局あいつだったの?なんかきもい。

そんな声を無視して冷めた弁当を食べ始める。

ふと途中で気になる会話が聞こえてきた。

最近なんか橋爪先輩が変わったんだよね。変わったってどう?優しくなったっていうか…まるで別人みたいに。


初めまして。風太郎です。気づいた方もいるかもしれませんが、作品の始まり方があまりしっくりきていないのでちょこちょこ変更しています。推理ものとして重要な情報は変更する予定はないので頻繁に確認する必要はないと思います。

本作はざっくりと言うとリアル世界の根幹に超能力が関わっている、といった感じです。

僕は「とある」や「ジョジョ」シリーズが好きで高校生活のころ念動力を使えるようになることを夢見ていました。皆さんも超能力使ってみたいと思ったことはありませんか?


それではどうぞ作品をお楽しみください。

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