↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/34

8.王道展開ですわぁぁぁ!!!!

「殿下。あなたはそうして周囲の者達の了解も得ずにそのような国の方針に影響を与えることをおっしゃったのですか?」


「そ、それは君には関係のない話だろう!」


「いえ。そうもいきません。あなたはこの国の王族。将来は王へとなるかもしれない方なのです。そのような方が周囲に何も言わずに独断で大きなことを決めるなど、あってはならないのです!しかも、それが周囲から考え直すよう諭されることであるのならばなおさら!」


「っ!」


王子の取り巻きの一部が懐疑的な姿勢を示したせいで、かなりエニケーちゃんが調子づいてきましたわ。想定ではもっとエニケーちゃんが悪者兼敗者になるような展開になるはずだったのですけど。

イケメンたちの知能を高く見積もりすぎていたようですわ。私もまだまだですわね。

エニケーちゃんの言葉もすべてがすべて正しいとも思えませんが、その内容がそこまで見守っている連中の判断要素にはつながらないでしょうね。根本的に大事なのは、どちらが優勢であり自分たちの利益につながるかということでしょうから。


ただ、想定していたものと優劣の対比が逆になっているだけでそこにさえ目をつむれば思い通りの展開に近い事もまた確か。

ここまでくればきっと私の1番聴きたいことが聞けるはずで、


「そもそもです。殿下は私の婚約者。婚約者が間違った道を歩むというのなら、それを正すのもまた私の役目。ハッキリ言いましょう殿下。全く以て今の殿下の行動や発言は王族としてふさわしくありません。お考え直し下さい。そして、その女をそばに置くことをおやめください。その女の影響で周囲への相談すらできなくなるというのなら、絶対にそのような者をそばに置くことは殿下にとっても周囲にとっても良くありません!」


「言ったな!前回彼女への侮辱は許さないと伝えたはずだろう!…………もういい!君が婚約者であるから止めるというのであれば、君との婚約は破棄する!婚約破棄だ!」


「なぁ!?」


来た来た来た来た来たぁぁ!!来ましたわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!

婚☆約☆破☆棄、ですの!

王道も王道、逆に王道過ぎてもうありえないんじゃないかと思うくらいド定番な展開が来やがりましたわぁ!!こういうものを聞くとテンション上がりますわね!仕組んだ甲斐がありましたわ!

これが聞きたくてわざわざこの人がうじゃうじゃいる教室の中で座り続けていたんですのよ!もうこれだけで満足ですわ~。

これが聞けなかったやつらは人生半分は損してると思うんですの。


「どういうつもりですか殿下!あなたにそのような権限があるとでもおっしゃるおつもりか!」


「僕は王族だ!ないとは言わせないぞ!」


「王族だからと言ってできることとできないことがあるのですよ!その決定は、最低でも陛下の承認でもなければ覆らぬはず!」


王子たちやエニケーちゃんはまだ騒いでますけど、もうあんまり興味ないですわね。正直今は婚約破棄の部分だけで十分すぎるほどですの。

さすがに重要な発言がまたされるかもしれませんから聞き逃しはできませんけど、そこまで真剣に聞くつもりもなくなりましたわ。後は勝手にやってろですわ~。


「どうだっていい!!婚約破棄だ」


「ですから、陛下の承認はどうしたんですか!どうでもいいとは言わせませんよ!」


「うるさい!やると言ったらやるんだ!」


「ならば、まずはできることを言っていただけませんか!越権行為をされても迷惑なだけです!たかが1人の女が侮辱されただけで国を混乱させるなど、それが王族のやることですか!」


「王族以前に、愛を知る者の1人としての行動だ!」


「愛を知る人間である以前に王族なのでしょう!個人の権利より王族であることが優先されるべきです!」


口論は熱を帯びていますが、やはり王子の話の方が貴族たちの共感は得られにくい。個人よりも家が優先されるというのが貴族や王族ですから。特例として家をある程度ないがしろにすることを許された人もいますが、そういう人たちはものすごく革新的な発明をしたりとか国に大きな利益をもたらした人とかですし、王子とは条件が合いませんわ。

まず、王子に実績があるというのならまずここまで対立の構図が出来上がることはなかったでしょうけどね。ある程度横暴でも、そういう人には頭を下げてでもお近づきになりたいでしょうから。

こういうことをするのなら、もうちょっと以前から活躍して実績を積み上げておけばよかったものを。


「とにかく、婚約は破棄だ!君はもう、僕の婚約者ではない!」


「ですからそのことだけでどうにかなる物ではないと言っているでしょう!あなたが望むからと言って何でも思い通りになると思うのは大間違いです!」


「あまり騒がないでいただけますか。殿下だけで足りぬというのであれば、私も婚約破棄を支持しましょう」

「俺もだ。殿下の、ケヌマの言葉は正しいと俺も支持する」

「俺も当然賛成だ」


周囲の反応から王子だけが騒ぐのは分が悪いとでも考えたのか、他のイケメンたちも本格的に話に混ざり始めてきましたわ。雑魚な見方を困ると自分たちも働かなくてはいけなくて大変ですわねぇ(なおその働く人たちも雑魚ではないとは言ってない)。

ただ、集団で動いたからと言ってどうにかなる問題でもありませんの。相手が個人ではあるような状況ですし数の差という物は上手く活かせるのであれば強いのかもしれませんが、


「なら、私たちからもいくつか聞きたいことがあるね」

「…………婚約、どうするつもり?」

「ま、まままま、まさか、私たちとの婚約も破棄ですか!?確かに私なんて婚約している価値が実家とのつながりくらいしかないかもしれませんけど、そんなこと突然言われても困るっていうか。まあ私が困ったところで皆さんどうでもいいでしょうけど」


「っ!?そ、それは!」

「俺たちは、その…………」

「騒ぐな!今そんな話はしてないだろ!」


参戦してきたイケメンたちの婚約者たちの参加を誘ってしまいましたの。

数を増やしたら向こうも数が増える。最初に比べるとかなり数的有利が薄れてしまいましたわ。何せ最初はエニケーちゃん対王子と原作主人公ちゃんで実質1対2にできていたんですから。1対2と4対5では人数差の優位性がかなり違ってきますわ。

とはいえ、その人数差を活かしきれなかったからわざわざ新しく入ってきたんでしょうけどね。


そうして人数が増えてきまして人数差の優位性が薄れたという事態にはなりましたが、実を言いますとそれ以外にも弊害がありまして、


「言葉を詰まらせてどうしたのかな?私はイエスかノーかが聞きたいのだけど」

「…………後ろめたい証拠」

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!今している話ではないですけど、確認しておかないといろいろなところに迷惑が掛かるのでやっておかないといけないっていうか…………」


「後ろめたいことなど何も何もないですよ」

「俺たちは正しいことをしているんだ!」

「さっさと口を噤めばいい物を。少しは自分で考えたらどうだ」


話がそれぞれで展開してて正直全体の流れがつかみにくいのですわ。

婚約している関係同士で話しているだけかと思うと若干そうでもなさそうですし、余計に誰が何について何を言いたいのかわかりませんの。

もうちょっとその辺配慮して会話してほしいですわねぇ。


…………なんて思いますけど、聞き逃すわけにもいかないんですわ。

なにせ、


「はっきりしてほしいね。結局君たちは婚約をどうしたいのかな」


「「「…………」」」


黙った王子以外のイケメンたち。

そうしてしばらく教室を沈黙が支配した後、


「「「婚約を破棄する」」」


婚約破棄が、増えやがりましたわぁぁぁぁ!!!!

キタコレ!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。