スペード(エピローグ)
このお話は読んで頂いても構いませんが
本文は読まれていなくても楽しめるように
書いております
読むかどうかは読者の皆様にお任せいたしますが
読まれた際は感想を書いてくださると幸いです
「おはよう」
「ああ、おはよー」
普通の日が始まった、なんて事のない日々…
ポコっと頭の後ろから衝撃が来た
「ってーな!んだよ」
「なんか ああなんの変哲もない毎日 みたいな顔してたから腹たって」
「うっさーわ」
「ヘックチュン あー待ってて風邪引いたらどうしてくれんの!?」
「え?俺のせいじゃなくね?」
こいつは幼馴染の切華
家が近いとかそんな事はない只々親が仲がいいだけである
だから学校までの道のりはこいつの方が短い
羨ましい…
そんな事はどうでも良くて
俺は思考を切り替えこれから待っているクラス替えのことに思いを馳せた
「もと2年4組大島です……」
最悪だまた同じになってしまった
「もと2年5組澤部です……」
これは運命というより呪いだな
あぁ次は俺か
「もと2年7組福溜です、好きなものは空気と静寂嫌いなものは…です」
外野からチキンなよーとのヤジが飛んだ
「もと2年4組真島です」
うるせぇーよマジで言おうとしたらすごい圧を感じたんだよ
「もと2年7組冷澤でちゅ」
クラスが笑いに包まれた流石だなあそこで噛むのは天才的な天然だな
と思っているとまた圧を感じた
怖かったので考えるのをやめたが
心読めてんじゃね?マジで
結構怖いんですけど!?
そうこうしているうちに新学年の1日目は終わった
クラスの中でグループができているところや
同じクラスになりご飯に行こうなどと言っている奴らもいる
俺?もちろん一人さ!
「おい、福溜 飯いかね?」
「おいおい、こいつはいかねぇーって」
「愛しのナントカちゃんがいんだもんなぁ?」
こういうのは無視に限る
まぁなんだかんだ飯に誘ってくれたやつは同中で仲がいいんだけど取り巻きがよろしくないよなー
「何ボケっとしてんの帰るよ」
そう!問題はこいつなのだ幼馴染の切華こいつのせいで俺の青春が…
いや女子がいるだけマシか
だが今日という日は絶対一人で帰る!
「ちょっとさねち?」
「俺は一人で帰る!」
「さらば!」
よし抜け出してきたぜあいつといると買い食いできねぇーからな
ふふふ、今日はチートデイだ
え?昨日もだって?男子高校生は毎日がチートデイ
買えば買うほどデカくなる!
よって今日はMドナルドでセット二つ買って帰るぜ
ふへへへ
「んだこれ」
俺は道端に落ちていたカードを見つけた
今は6時ぐらい、そんなに暗くないって思うでしょ?
それがどっこい冬なんですよ、ねぇ?暗いでしょ?
でもはっきりと見えるぐらいの存在感のカードがあったら一回素通りしても
やっぱ気になって見ちゃうでしょ
そう!不可抗力!
いやーでも交番近くにないしなーまぁ誰がが拾いにくるだろ、先に飯だメシ!
この時俺はあまり深く考えていなかった
このカードが実はあんな事を引き起こすなんて
「チーズのセットとダブルチのセットで」
よしよしこれこそ至高!
財布さんどっかでーすか?
あれ…俺このカード拾ってたっけ?
まぁ一旦いいか
「1500円です」
はぁーい
よし!ちょうどあったぜ
「少々お待ちください」
待て待て待て待て
なんでこのカードがカバンにあるんだ?
イタズラか?
そう思いカードを見ていると
「なんだこれ VC?」
やっべ声に出てた変な目で見られたよ
恥ずかしくなり辺りを見回すと
やっべ切華いんじゃん
あぶねぇー運良かったー移動しよ
パリーーン!ガラスの割れる音がした
急いでそっちを見てみるとさっきまでちょうど
俺が立っていたところのすぐ後ろのガラスに
野球のボールが当たりガラスが飛び立っていた
アッブねぇーこのカード見つけてから
運がいいのか悪いのかねぇ?
「M777でお待ちのお客様」
おっラッキー
どこ座ろう…あそこにしよう
ちょうど窓側の席が空いていた
そうその席だけ誰も座っていなかった
この店のつくりは店内で食べる為の場所が
販売ブースから左右にどちらもあるのだか
右は景色がいいといつも埋まっていた
それなのに今日はその席だけ空いていた
「やっぱりこれが一番だよなー」
15分ほどで食べ終わりそのあとはスマホを見ていた
最近気になっているゲームの抽選があり
この日も一口応募した
「え?あってる」
やばくね?このカードこれ持ってから運良すぎね?
まぁ偶然もあるだろうけど
最高じゃねーか
「あ!見つけた」
いや最悪だった
「いやーあのーこれは決して邪魔だったとかじゃなくてですねー」
「いや…あのね今度さ、お祭りあるじゃん?」
「あぁーあの雪降らないのに名前が雪まつりってゆうボケみたいな祭り?」
「一緒に行かない?」
そこから自分が何を言っていたのかあまり覚えていない
なんか いやあのね羌ちゃんがね一緒に帰っててね
とか言っていた気がする
でも会話になっていなかったと思い出し
また顔が赤くなる
服を決めようと思いクローゼットをあける
数分考えたのちバカらしくなり
服をベットに捨てる
いや、でも、と自分に言い訳をしてまた
服装を考えるの繰り返し
その日の夜ご飯は白ごはんと赤飯が出てきた
父親が母親の顔をみて驚いたような顔を見せたが
母親の首の一振りでホッとして手を合わせた
俺にはなんのことかわからなかった
「待った?」
「いや俺も今きたとこ」
いや会話続かんてどうすんのこれ
「あのさ、なんで急に俺なんか誘ったの?」
「だって取られちゃうかもって言われたから」
「な、なんだよそれ…」
くそ!くそ!恥ずかしいじゃねぇかよ
綺麗なカウンターくらわせやがって
なら俺は漢を見せるしかないじゃねえーかよ
「「え?」」
雪まつりには告白ブースというものが存在した、
一度取り壊すことになったが
ここから生まれた夫婦は数知れず
これを壊せば祭りの存続が危ぶまれるとして
逆にお金をかけると祭りがより繁盛したという…
主人公らはもちろん異性と祭りに行った事などない
このようなブースは視界に入っても無視していたが
そのような関係になった今ではそれしか目に入らなくなっていた
「い、行くか、…」
つまりすぎだろおれ!
「え?えぇ……」
顔赤すぎだろ お、俺もなのか?
告白ブースから出てきた二人は清々しい顔をしていた
側から見ていた親×4匹は各々顔を見合わせ
最終的に目はしっかり繋がれた手に吸い寄せられていった
その日はそのまま家まで送っり解散となった
だがなかなか眠れず電話での延長戦となったが
寝落ちによる両者引き分けとなった
そういやこのカードどうしよう
俺は先日拾った?カードを見ながら最近の事を思い出していた一様これの経緯を紙にまとめるか
これって…じゃあこれも…なるほど
「って!んだよ」
シャーペンを持ったとか上下が逆だったらしい
親指に芯が刺さってしまった
いやありえねぇー俺は毎回芯をしまってる
って事はやっぱりあの仮説は正しかったって事だな
最悪だな…
んじゃあこの後はどうかなんだろな
ああ眠くなってきやがった、今何時だ…9時かもう5時間もやってのかそりゃ眠くなるか
クソ…やべー気がするな
……
……
福溜札土は死亡した。