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エピローグ
俺は魔王を倒した。
二つ目の異世界に転生させられてから三日目のことである。
周りを見渡しても、目に写るのは歓喜する仲間になるほはずだった者たちと魔王の亡骸、そして俺がくしゃみをした跡だけである。
魔王は『人形の第一形態』と、奥の手として残していた『煙型の最終形態』の合計二つの姿で俺の前に立ちはだかった。
そして、魔王が自身を煙のような姿に変異させ、俺を窒息死させようと襲いかかってきたとき、俺の鼻が光を放った。
「へっっくしゅん」
煙に紛れて俺の鼻を刺激した塵に、俺は思わずくしゃみをした。その時、俺の隠されたスキル『破滅瞬風』が偶然たまたま都合よく開花し発動した。
これが俺の能力『超・主人公補正』だ。
こうして俺の二回目の異世界生活は終了した。