サンタクロースが地球人との混血種ニューゲノムを連れ去った問題について

第1章

　「さて、サンタの問題について考えて行きましょう。」

　そしてこの教授のいつもの退屈な講義は始まったのでした。またもや不可解な持論のもとで。しかし彼にとっては理屈は合っていた。何故ならば流石教授の実体験をもとにしていたのであるからーーーー

「恋人がサンタクロースだと、幾つかの面で問題が生じる可能性があります。

　現実的な観点から考えると、サンタクロースは伝説上の存在であるため、物理的な恋愛関係は難しいかもしれません。

　また、異なる現実感覚や価値観を持つ人々とのコミュニケーションも難しくなるかもしれません。

　しかし、あくまでフィクションやファンタジーの中で楽しむことであれば、特に問題はないかもしれません。

　どのような観点で問題を感じているか、皆さんにも詳しく考えてもらい、レポートしていただければと思います。」

　流石教授が着任する20年前の出来事、サンタクロースがソリ型の宇宙船に乗って現れました。

　彼らの目的は自分たちのDNAを地球人に移植し、ゲノム超人を誕生させることであり、まもなく誕生することとなったのだ。

　あくまでも研究機関の極秘裏のゲノム編集人体実験ではあったが、一人のサンタクロースが誕生したニューゲノム男女の赤ん坊二人を持ち去って自分の星に帰り着く。

　そしてニューゲノムを一人ずつ別々に信頼する家庭に里子として預け、やがて二人は成長していった。

　成人したニューゲノムはこのことを知らされずに育ったのだが、ある日育ての親から真実を打ち明けられた。

　彼女の名はアリス、年齢は20歳。やがてアリスはもう一人のニューゲノムの男性を探す旅が始まるのであった。

☆〜☆〜☆〜

　アリスは、自分の本当の出自を知った後、驚きと好奇心で胸がいっぱいだった。

　彼女は自分がもう一人のニューゲノムと共に異なる家庭で育てられていることを知り、その男性を見つけることが目標となりました。

　彼女の旅は、未知の冒険と感情の探求に満ちていました。

アリスはまず、彼女の出自についての情報を収集しました。

　研究機関や過去の記録を追い、自分の“兄弟”であるもう一人のニューゲノムの手がかりを見つけようと努力しました。

　彼女が立ち寄ったかつて訪れたという地球に到着した。

　彼女は、地球上の様々な場所を訪れながら新しい友人や仲間と出会い、彼らの支援を受けながら探索を進めました。

　しかし、彼女の旅は簡単なものではありませんでした。

　彼女は自分自身や地球の文化、人間関係について学びながら成長し、同時に自分の過去と向き合わなければなりませんでした。

　アリスは時折、自分の選択や感情に戸惑いながらも、信じるものを追求し続けました。

やがて、データベースからアリスはもう一人のニューゲノムの男性の名前が「カイル」と判明しました。

　彼女はカイルの足跡を辿り、共通の友人や研究機関の記録を通じて彼に近づいていきました。

　そして、二人が出会った瞬間、運命的な繋がりを感じました。

　彼らは違う環境で育ったにもかかわらず、奇跡的に共通の価値観や興味を持ち、深い絆で結ばれました。

　アリスとカイルは、自分たちの過去と共に向き合い、未来への希望を育んでいきました。

　彼らはサンタクロースの影響を受けながらも、自分たち自身の意志と選択によって人間としての道を歩むことを決意しました。

　そして、地球とその住人への感謝と尊重を持ちながら、新たな冒険と可能性に向かって進んでいったのでした。

☆〜☆〜☆〜

　実は連れ去ったサンタクロースのルシアの目論見とは、この星を支配している悪い遺伝子を改良するために地球人との混血種であるニューゲノムの繁殖を行う事だった。

　既に消息不明となっていたカイルとその家族たちは、政府機関の研究所の監視下に置かれ、隔離生活を送っていた。

　研究所の研究員ソフィアはカイルの超人的な才能を把握していたが、そのことについてカイルとの秘密にしていた。

　カイルには透視能力があり、人々の考えを見通す力が備わっていたのだった。

　ルシアの意図が明らかになると、アリスとカイルの運命は一層複雑に絡み合いました。

　カイルとその家族が政府機関の監視下に置かれ、隔離生活を送っていた頃、ソフィアの存在が重要な鍵となります。

　ソフィアはカイルの特殊な能力を知っていたにもかかわらず、カイルがその約束を破って秘密が明らかにされはじめると、カイルとの信頼関係が揺らぎます。

アリスはカイルを見つけてから事情を知るや、彼を救うために動き始めます。

　彼女はルシアの真の目的を知り、その目論見に対抗する方法を模索します。

　同時に、アリスとカイルは自分たちの特異な能力を活かして、政府機関の監視を逃れ、新たな同志を集めることを試みました。

　カイルの能力を通じて、人々の本心や意図、過去の出来事を垣間見ることができるため、彼とアリスは悪意ある勢力から利用されることから守るために、予測不能な展開に立ち向かうことになります。

☆〜☆〜☆〜

　ルシアのプランであるニューゲノムの繁殖に向けて、彼はどうしてもアリスとカイルの子孫を作る必要があった。

　何とかカイルのいる研究機関を見つけ出したルシアは、彼らの誘拐を決行したのだった。

　さらわれた二人を巡って政府機関も動き出すのだが、研究員ソフィアは政府機関のやり方に不満であった事で、ルシア達を匿うことに決めるのだった。

アリスとカイルの子孫を作るというルシアのプランにより、再び彼は二人を連れ去りました。

　その行動によって政府機関は動き出し、さらなる緊張感が加わりました。

　しかし、ソフィアが政府機関のやり方に不満を抱えており、ルシアと連れ去られたアリス、カイルを匿う決断をします。

　政府機関との対立、ルシアの計画、アリスとカイルの未来への希望との間でそれぞれの気持ちは揺れていましたーーーー

　そして、それぞれの信念や感情が複雑に絡み合いながら動き始めることになります。

ソフィアの行動は、彼女が単なる研究員以上の人間であることを示しています。

　アリス：（囚われの身として）カイル、どうやってここから脱出しようか考えてるんだ？

　カイル：（冷静に）まずは周囲をよく見てみないと。この施設の構造や警備体制を把握しないと、無駄なリスクを冒すことになるよ。

アリス：（不安げに）でも、どれだけ時間がかかっても、ルシアに私たちの子孫を作らせるわけにはいかないんだ。彼の計画を阻止しないと。

カイル：（決然と）分かるよ、アリス。でも焦っても何も進まない。ここから脱出するには、ソフィアが手を貸してくれるかもしれない。

アリス：（驚いて）ソフィア？でも彼女は政府機関の一員じゃないの？

カイル：（微笑みながら）そうだけど、彼女は違うんだ。彼女はもうずっとこの状況に疑問を持っていた。ルシアの計画に反対してるし、私たちを守るために行動してくれるかもしれない。

アリス：（深く考えて）確かに、ソフィアは違う。彼女の助けを借りて、どうにか脱出して、ルシアの計画を阻止しよう。

カイル：（手を握りながら）アリス、一緒に乗り越えていこう。きっと未来は私たちの手にあるんだ。

アリス：（勇気をもって）そう、カイル。私たちの力で、この難局を打破し、新たな未来を切り開くんだ。

　ちょうどその頃、ルシアがソフィアの居場所を突き止めた。

ルシア：（冷笑的に）ソフィア、君がここにいるとは思わなかったな。私の計画を邪魔するつもりか？

ソフィア：（堂々とした態度で）私はあなたの計画には反対です。人々の遺伝子を勝手に改変することなど、倫理的に問題があります。それに、アリスとカイルの未来を奪うのは許せません。

ルシア：（笑みを浮かべて）可愛いソフィア、君はいつからこんな立派な意識を持ち始めたんだ？まさか私のことを裏切る気か？

ソフィア：（真剣な表情で）私はただ、正しいことをするために行動しているだけです。あなたの計画は間違っています。

　アリスとカイルも人間です。彼らには選択の権利があり、自分たちの未来を築く自由があります。

ルシア：（不敵な笑みで）でも私の手によって、彼らは新たな種を作り出すことができる。地球を新しい時代へと導くのだ。

ソフィア：（固く言葉を続ける）私はあなたの計画に協力しません。それどころか、アリスとカイルを守るために行動します。彼らはもうあなたの手中にはありません。

　アリスとカイルがソフィアの研究室に入ってくる。

アリス：（決意を込めて）ルシア、私たちはあなたの計画には従いません。私たちは自分たちの運命を選びます。　

カイル：（冷静に）ソフィア、私たちに手を貸してくれるか。アリスと私たちはルシアの影響を受けることなく、自分たちの人生を歩みたいんだ。

ソフィア：（微笑みながら）もちろん、アリス、カイル。私はあなたたちを守るために全力で戦います。そして、ルシアの計画を止める手助けもします。

ルシア：（怒りを露わに）くっ、私は誰にも阻まれるつもりはありません！この地球を新たな未来へ導かせてみせる！

　施設内、研究室の外え飛び出してきたルシアが叫んだ!

ルシア：（怒りを込めて）このままでは終わらせない！私の計画を邪魔する者たちには容赦しない！

アリス、カイル、ソフィアは手を取り合い、決意を示す。

アリス：（団結して）私たちは力を合わせて、未来を守ります。ルシアの計画を阻止し、自分たちの選択を守るんだ！

カイル：（頼もしく）そうだ、彼の影響に流されることはない。ソフィア、アリス、君たちと共に戦う。

ソフィア：（希望に満ちて）私たちの絆が、この闘いを乗り越える力になるはずです。ルシアの野望を止めるために、戦います。

　政府機関のエージェントたちが近づいてくる。

エージェント1：（厳しい口調で）アリス、カイル、ソフィア。あなたたちは逮捕されることになります。

アリス：（決然と）私たちは自分たちの未来を守るために戦います。ルシアの計画を阻止するために、私たちは戦います。

エージェント2：（警戒心を抱きながら）お前たちは逃げるつもりか？

カイル：（自信を持って）逃げるつもりはありません。私たちは正しいことをするためにここにいます。

　政府機関のエージェントたちと対峙しながら、アリス、カイル、ソフィアは自分たちの信念を胸に戦いの場へと進んでいく。

☆〜☆〜☆〜

その頃地球のゲノム研究員流石は、20年前の研究資料の中から機密事項をまとめていた。

　そしてニューゲノムが誘拐された事実を知ると、同僚と共に捜索を開始するのだった。

　地球のゲノム研究所内、研究室。

　研究員1：（古い資料を調べながら）ここに20年前の記録があるはずだ。何か手がかりがないか探してみよう。

　研究員2：（資料を探し続けながら）あの頃の研究はかなり機密扱いだったから、詳細は限られてるかもしれないけど。

　研究員1：（一冊のファイルを見つけて）これだ！20年前の研究資料。ここに何か手がかりがあるかもしれない。

　ファイルを開いて資料を確認し始める。

　研究員2：（目を細めながら）これは…ニューゲノムに関する記録だ。当時は秘密裏に行われていた研究だったけど、どうやら誰かがこれを知っていたみたいだ。

　研究員1：（資料を読みながら）なるほど、ルシアの計画についての手掛かりがあるかもしれない。これがニューゲノムの誘拐事件の真相なんだろうか。

　研究員2：（決意を込めて）私たちは何が起きたのか知って行動する責任がある。ニューゲノムを守るためにも、調査を進めよう。

　地球のゲノム研究員たちは、20年前の研究資料を通じて事件の真相を解明しようと努力するのだった……。

☆〜☆〜☆〜

　ルシアが極秘裏に自分の星に帰り着いたことが宇宙データベースから届くと、流石の捜索チームは宇宙船で惑星ガンダルを目指すのだった。

　捜索チームの宇宙船内。

　リーダー流石：（画面を見ながら）宇宙データベースからの情報だ。ルシアの宇宙船が目的地に到着したというデータが入ってきた。

　チームメンバー1：（興奮気味に）ついに、彼のいる場所を特定できたんだ！

　チームメンバー2：（準備を進めながら）惑星ガンダルだと。ここに向かう準備を急ごう！

　リーダー流石：（厳しい表情で）ルシアは危険な計画を実行している可能性がある。私たちは彼を止めなければならない。

チームメンバー3：（決意を込めて）アリスとカイルの安全を守るためにも、ルシアの野望を阻止する必要がある。

宇宙船のエンジンが轟音を立て、捜索チームは惑星ガンダルへ向かう。彼らの使命は、ルシアの計画を阻止し、アリスとカイルの未来を守るために戦うこと。未知の冒険が待ち受ける中、流石の捜索チームは結束し、勇気をもって新たな世界へと飛び立っていくのだったーーーー

to be continued!!///