3.狼を倒したら…
その現魔法使いに会いに行く事になり木が生い茂っている森を3人でずっと歩いているが一向に辿り着く気配がない
「ウォル、俺らなんか迷子になってないか?」
ウォルも少し顔を引き攣らせてるが…この感じだと多分あまり自信がないのだろう
「そんなはずはないですよ…一応私知識人ですしよく
ここに通ってますよ?」
少しイラつきながらもアルトは
「本当かぁ?迷子になってるとしか思えないがな」
「おう!ウォル、また来たのか」
木の影からひょこっと少しガタイのいい男性が出てくる
服の上からでもよくわかる筋肉を付けており見るからに
武道などをやっていそうな見た目をしている…白い布の様な物を服として使っているのだろうが…随分汗くさいぞ…
「どうも!後ろにいるのは町で出会った勇者さんと魔法使いさんです」
ウォルも元気よく返す
「魔法使いか!みんな勇者になりたがるのに珍しいな!」
ちょっと驚いたように男性は言う
こっちをひょこっとウォルは向いて笑いながら
「僕の師匠のガルトラさんです」
ウォルは見るからにここに来てから調子が良くなっている…多少俺が戸惑っていると
「よろしく2人とも」
アルトは俺とは違って随分ここに馴染んでいる様だ、ニコッと笑いながら
「よろしく!同じ魔法使い同士よろしくな!」
そんな元気な3人を横目に
「よろしくお願いします。」
ウォルに聞いたところガルトラはもともと勇者になりたかったようだが、勇者の人が多すぎて役職が被らないように魔法使いに変えたようだ。
俺は不思議に感じるみんながなりたがる様な身分だと聞いてたのにこんなガタイのよく筋肉もある体で諦めるなんて
「そんな理由があって魔法使いに変えたんですね。」
「あぁ…よくみんなに驚かれるよ、みんなこぞって
勇者になりたがるからな」
ガルトラは腕を組み、考える様に言った
みんなとそんな話をしていると青い棒人間のようなモンスターが生い茂っている木の側から走って出てくるとガルトラはウォルの方を見る…随分小柄で大きさは80cmくらいだろう…ここにはこんなモンスターが居るのか、怖いな…
「あれはアオニンだな、ウォルでも倒せるはずだ、
やってみろ」
ウォルは小さく頷き地面に木の棒で星の形を描く
「フォーリングスター!!」
星の形が少し光ると何処からか星が落ちて来る…モンスターに直撃するとモンスターは潰れた?様だ…この世界には魔法があるとは聞いていたが…こんなに迫力がある物なのか…
アルトが口を開くと
「すごいな!モンスターが粉々になったぞ!」
ウォルは照れながらも
「いやぁ、いつも師匠に教えてもらったからですよ。」
そんな照れているウォルの肩を叩きガルトラは愛想良く笑うと
「そろそろお前も魔法使いになれるんじゃないか?
ちょっとその2人とそこら辺のモンスター倒してみたらどうだ」
ガルトラは随分人柄がいい様に見える、何かと笑っているし弟子のウォルを友達の様に話しかけたりしているから
多分愛想が良い方なのだろうウォルも元気よく笑いながら
「はいっ!」
と返事をしている
そう言われウォルとアルト、そして俺は森の中を歩き出す。5分ほど歩いていると少し生い茂っていた木が倒れていたり切れていたりしていてさっき歩いていた道より木の影が
少ない…そんな多少危険な匂いがする所を歩いていると体格3.5mくらいの大きさ、鋭い牙…青く濁った目に明らかに近寄ってはならない雰囲気がするが…アルトはそんな事お構いなしに少し警戒しながら
「お、おい、ウォルあれなんだ?ウォルでも倒せそうか?」
明らかにウォルは震えており
「あッあれは…この縄張りの…主です」
四足歩行の狼の様な巨大なモンスターはこっちを見るとこちらを見下す様に目を光らせて少し唸る…そんな巨大なモンスターを見ながら俺らは後退りするが
「ガルトラもいないし俺らは正直魔法もあんま使えないから頑張ってくれ!」
アルトには責任感っていうものが無いのか?そんなアルトを見ながら俺は剣を持つウォルも震えているし…アルトも多少ビビっている様に見える
俺は背中に背負っている剣を持ちながら
「俺も一応手助けはするけど魔法使いなりたいなら
頑張ってくれ!!」
——なんちゃって魔法使い達——
「ぎゃああああああああ」
ウォルは狼の攻撃を交わしながらなんとかして魔法陣を描こうとしている
「お、おい!これどうやって魔法出せるんだ!」
ア後ろで戸惑いながら魔法を出そうとアルトはなんとも情けない声で喋っている
ウォルはとんでもないほど狼に追いかけられながら
「なっなんとか頭に思い浮かんだことを地面に描いてみてくださっああ」
「頭に思い浮かんでるって…これか?」
「にしてもだいぶデカくなるぞこれ」
アルトは呟く
「うっうおおおおおお!」
俺はがむしゃらに剣を持って斬りかかると剣に少し黄色の黄色の火柱の様な物が出る
「な…なんだこりゃ…」
そう口に出しモンスターの尻尾に思い切り振り翳す
「ギャオオオン!」
尻尾ら辺に剣が擦り切った。狼の血は棘の様に硬化して尻尾に突き刺さる様に固まっている…そんなことを考えるのも束の間…モンスターはこちらに迫ってくる
「おいアルト!早くしてくれ!」
走りながら俺は叫ぶと走るのをやめモンスターが向かってきている方に再び走り直しモンスターの前足の間を滑り込み剣を上に向かって突き出した。
数秒もしないうちに俺は雲ひとつない晴天の空を見ていた
「グガ…ガガ…」
起き上がり後ろを見て見ると…モンスターの腹には赤く濁った氷柱の様な物が腹から背中に突き出ていた
アルトはこちらをみると
「すごいな!お前そんな能力使えたのか!と言うかこの狼どうするんだ?
ウォルは少し考えて
「ガルトラさんのとこに持って行って装備に変えてもらいましょう。あの人一応装備を作ることもできるんですよ」
そして持って帰ることにしたが…
「こいつクソ重いな……」
アルトが嘆く
「しかたがないですよ…こんな体格なんですから」
そうして5分ほど歩いてると
「なんだあの鉱石、ちょっと掘れないか?」
俺はとてつもなくでかい岩を指差すと
「あれはメタアルですね。魔法でハンマーを出すんで待ってください、あとあれは主に剣や銃、城作りに使われます」
俺たちは狼を一旦置いて
「パラレルポケット」
ウォルは呪文を唱えると空間からハンマーが出てきて
「よし!これで掘ってみてください」
岩をハンマーで叩くとメタアルがウォルの手の中に集まっていく
アルトは興味津々に
「それどうやって手の中に集めてるんだ?」「これはマグネットという魔法です。自然と覚えてました」
「ふーん俺もできるかな?マグネット!」
すると急にアルトの手にメタアルが岩から剥ぎ取れて集まる」
「おお!すごいですね!
ウォルは目を輝かせて言う
「俺もできるかな、マグネット!」
すると今度はメタアルではなくアルミ製に思える素材が手元に集まった」
ウォルは俺の手の方を見て
「人によって集まる素材は違うことがあるんですね…」
「こりゃ便利だな、これからも使ってくか」
俺はそういい狼を持ち上げる
数分歩いてるもとガルトラの家に着いた
「よっこいしょ!ここに置くか!」
アルトは疲れ切って言う
「そうだな、多分ここでいいだろう」
返事を返す
家を見ながら
「そろそろ出てくると思いますよ」
そう言った途端家からガルトラが堂々と
出てきガルトラは興奮しながら
「すごいな!これ縄張りの主じゃねえか!これ倒したんだったらお前ら相当凄いしウォルももう魔法使いじゃないか?」
ウォルは少し考える動作を取ると
「本当だ!僕もう魔法使いになってますよ!」
ガルトラとウォルはハイタッチをして喜び合う
「よかったな…これでウォルも魔法使いか」
俺は家の壁に寄りかかりながら言うとアルトも便乗して
「そうだな、役職ってこんな感じで変わるんだな」
そう言って話していると
「僕アルトさんや勇者さんの旅についていきたいです!」
俺とアルトは目を合わせて微笑み合う
「あぁ、いいぞ」
寄りかかるのをやめて言うとアルトも
「仲間が増えるってことは悪いことじゃないからな、こっちこそ歓迎するぜ」
ガルトラは
「お前ももう魔法使いだ、今までに覚えたことを使って充分に戦ってこい!」
ウォルは嬉しそうにみんなを見ながら
「ええ!」
と言った
初めての戦闘シーンでした、変なところとかあるかもしれません