24.親離れと国離れ
レイって名前は日本語で言う0にあたるらしい、そういうところはこっちの世界とも共通するのか。都合が
いいね。
——17年前——
レイは世間一般で言う『人』として生まれた…一つの人間の親子から。レイは人一倍爪が伸びやすく噛む時の力が異様に高かった。そんなの気にせず8年暮らしていると…朝起きて普段通り親に挨拶をしに行こうとすると。
「おいレイ…その耳どうした?」
と父に言われた
「耳?いつも通りだよ…」
母親がご飯を出しながら台所から出てくると絶句した
「な、何があったの?!」
両親は焦りながらレイのことを心配してくれたが友達はそうはいかなかった。
「なんだよその耳!モンスターはこっちくんな!」
と指を刺されたり
「おっと…君か、あっち行っててくれ」
大人にも迫害された
この親子はカトラッヂでは珍しい戦闘をあまり好まない家庭だったためレイをなんとかしてあげようと考えていたが…その頃はまだ平和だったと言っていいだろう。
急にドアが開きカトラッヂの兵士が3人入ってくると。
「この家に奇妙なモンスターがいると聞いた!今すぐ差し出せ!」
カトラッヂの兵士は生物兵器としてレイを扱おうとしていたのだ。それを見透かして両親は
「家を間違えてるんじゃないか?!うちに子供なんていない!」
と言うと2階で寝ていたレイは騒ぎを聞いて聞き耳を立てると
「それじゃあ2階を見させてもらおうか?いた場合は…まあわかっているだろう」
レイは焦った、普段冷静沈着で落ち着いてるレイでも両親に手が行くのは恐れた。
窓はない…隠れる場所も無い…焦っていると急に場面が変わった。
目の前は血だらけになっており、カトラッヂの兵士は皆倒れていた…両親はそんなレイをみて恐れることもなく抱きついてきた。
レイは死体を隠し、そのままいつも通り親と一緒に過ごしていたが……ずっとは続かなかった…10年近く経つと銃を持った兵がなんの躊躇もなく入ってき…親を2人とも撃ち殺した
17歳でご飯を食べていたレイは9年前の記憶がフラッシュバックした。
「いたぞ!捕え…」
牙で首を噛み、肉を引きちぎると他の兵士たちも同じ様に切り裂き、噛み砕いた。
今、戦ってはいけないと本能で感じた…華麗に兵士たちを乗り越えると国の出口まで一直線に向かった
明らかに背中に銃弾が当たっていたがよろめいたら
捕まることはわかっていた…国の検問所を過ぎて裸足で草原を避けて走って行った。
レノンと少し似ている脱走劇だった。
そこから走って着いたのがこの町だったわけだ
随分悲壮な逃走劇だった。
やっとこの町について0からやり直せるのだ…
レイは大人しく冷静沈着な性格をしているがこの世界で生き残ろうと凶暴な性格を演じている。なんとも悲しい…
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