14.護衛と制圧
さて…味方は2人怪我を負っている。
衛生兵が来たことは敵兵も認識しているだろう。
攻めてくるなら今のはずだ、そこを待ち伏せれば
1人くらいなら戦闘不能に出来るはずだ…
いつのまにかレノンは戻ってきていたらしく、横に
しゃがんでいる
「うわっ…何だレノンさんですか。驚かせないでくださいよ」
危うく攻撃しかけた。危ない危ない
「何だよ、そんなに戻ってきたのが嫌か。ささっ…敵は衛生兵が来たのを知っている。恐らく仕掛けてくるだろう」
「ですね。待ち伏せしましょう」
俺は銃を構えているとレノンも銃を取り出して
「僕は別に君のことは嫌いじゃないが…信頼はあまりしていない。僕の背中は託さないからね」
そんなこといちいち言わなくていいだろ…ふざけてるのか?全く…
「そうですか…じゃあ俺の背中撃ったりしないでくださいね」
「そんな怒んなくていいじゃないか…ちょっとふざけただけだよ…」
はい??ちょっと1発この人の事殴っても許されるよな
本当に意味がわからない人だ
「そうですか…変に話しかけられると集中できません」
「確かにそうだな…わかったよ」
やっと黙ってくれたようだ。本当にこの人と来たら…
テリボルアの兵士やアルト達も待ち伏せの体制らしい
だが静かすぎる。足音一つすらならない…どういう事だ?明らかに不自然だ、警戒は解かないでいこう
急に爆発音がする。何が起きた?
「ブービートラップに誰かがかかった!攻め時は今だ!」
そうか!ブービートラップがあったのか
「1人戦闘不能だ!援護に回ッ…」
矢が喋っていた敵兵の足に刺さる
パンッ!
パシュッ!
パンッ!
パンッ!
敵も倒れた敵を守るように銃を撃っている。
「僕は1人倒した!攻撃をやめろ!」
「俺も射撃はしたが当たったかはわからない…暗くてよく見えなかったぞ」
「うーん…だとしたらまだ相手の方が人数としては上だ、少し新作を試そう」カバンから大襲来が来る前からずっと作っていた機械を出す。
「ちょっとこれ投げてくれ、もう起動してあるから
爆発するぞ。
「えっ?!ちょっ…」
機械を投げると空中で爆発し、棘がばら撒かれる
「なんだ…クソッ…首がやられた!誰か援護を!」
顔を出して確認すると敵兵はほぼ全員倒れている
「何で最初から使わなかったんですか…」
「本当はもうすこし取っておきたかったんだよ。他に使える場面が来るかもしれないだろ?」
「まぁ…なら仕方ないかもですね…敵が反撃しない様に拘束しときましょうか」
テリボルアの仲間達は紐を取り出し
「さぁ!カトラッヂ軍の方、抵抗はしないでください!」
と紐を手首に括り付け始める
「隊長と負傷兵の容態は随分よくなったそうです!まだ気を失っている様ですが安心してくださいね」
あぁ…よかった。ウォルの口からそう聞けて安心だ
「そういえば前黒い羽を落として行ったカトラッヂ兵いるだろ?奴とまた会ったんだが戦闘力自体はあまり高くなさそうだったぞ」
そうは言うが…なぜさっきあんなに俊敏に殴りや蹴りを入れられたんだ?やはりこの世界に来てから体がなにかと強化されている気がする
「そうなんですか?!だとしたらやはり魔法や剣ではなく機械を使って戦うタイプなんでしょうね。最近は
魔法や剣も少し衰退していて機械を使った戦いが多いですから」
魔法も剣も使われないのか…こっちの世界の技術力も凄いものだ
「みなさん少し休憩できる場所はありますか?少し寝かせてあげたくて」
テリボルアの衛生兵1人がそう言うと
「あぁ…僕の家に行こう。そこならブービートラップはない」
と言いテリボルアの兵士は6人程で負傷兵2人を抱えて
レノンに案内される。
「随分物騒だな…こんなのが数ヶ月のサイクルで来るんだから泣けてくるぜ」
「そうだな…今回アルト回復した以外大して何もしてないだろ。お前もなんかしろよ」
「うるさいなぁ…この世界に来てまだ1週間くらいだぞ?適用できてるお前がおかしいんだろ」
「別に適応なんてしてないだろ。まだよくわからんこともあるし」
アルトからは適用できてると思われてるらしいが
正直この思考をするだけで時間とか身分が分かる
システムもあんまり理解はしてないし。大して馴染めてはいない
「まぁ…確かにそうかもな」
「どう言う意味だよ…それ」
笑い合いながらレノンの家に歩き出す
レノンの家に着くと、テリボルアの兵士以外全員が
バンカーに入ると
「流石にこの状況だとあの草原にまた行くのは無理
だろう。今のうちに武器を整えて彼らを僕達が護衛するんだ」
増援を守ることになるとは‥本末転倒だが仕方がない。
困った時はお互い様だ…
「カトラッヂの奴らはそろそろ大量の人数で来る気がするが…大丈夫そうか?」
珍しくガルトラが引き気味で聞いている。
「うーん…その時は逃げるしかないんだよね。こっちが相手できるのはせいぜい15から20人程度だろう」
やはり少しキツイかもな…どうすればいいんだ
「一応カトラッヂの連中はしばらく攻撃してこないだろう。後大襲来が終わるのは3日くらいだろう…それまで持ち堪えればモンスターも人間も落ち着くはずだ」
あと三日か…長いな。それまで持ち堪えないといけないのか
「カトラッヂも人を送り込み過ぎている。そろそろ
動力が尽きるだろう」
「でもあのカトラッヂですよ?人手は多いはずです」
「あぁ、だがこの町一つ潰すのにそこまで人は使えないはずだ、奴らなら国などに送り込むだろう」
「確かにそうだな…だがなんで奴らは草原で戦っていたんだ?」
「あそこはいろんな国に囲まれているんだ、テリボルアやカトラッヂだってあの草原の周りに国を建てている…最短ルートで行くなら必然的にあそこを通ることになる。戦いは避けられないはずだ」
ガルトラは頷く。あの草原いろんな国が周りに建てられていたのか…知らなかったな…
「カトラッヂの兵士を30人も戦闘不能にしたんだ。
流石のカトラッヂでも警戒しているだろう…」
そんなにもう倒していたのか…
「だけどあいつら仲間が倒れたら助けに行ったりとか
随分仲間のカバーをしあったりとただ単に攻撃するだけじゃなかったぞ…奴らも攻め時ということは認識している気がする」
確かに…アルトの言う通り敵を戦闘不能にさせると援護する体制になっていたな
「あぁ…たぶんそうだろうが奇襲に失敗している時点で僕は強敵だと思われているはずだ。戦力を整え直してから来るだろう」
「そうですか!なら大丈夫ですね!」
「この町も他の国に認識されつつある。大襲来が
終わったら他国から同盟や物資の支給などが来るだろう…そしてカトラッヂの他にも銭湯を好む国は何個かある。他の国が大襲来が終わって油断したところを狙いに来るかもしれない」
「あぁ…今回はいつもに増して戦闘が激しいからな…
もしかしたら空の雲の影響もあるかもしれない」
ガルトラは前人工的にできているものだと言っていたしな…今ガルトラが言った通り何かと人体に影響が
あるのかもしれない
上からテリボルアの兵士が俺らを呼んでおり
「隊長が目を覚ましました!みなさん来てください!」
と頭を出して喋っている
「本当か?!今行きます!」
梯子を登り走って2階に行くと
「すまない…奇襲を受けたらしいですけど。貴方達が
応急処置をしたり守ってくれたとも聞きましたが…」
「えぇ、そうですけども大したことでは無いです。
仲間が怪我をしたら助ける…それだけですよ」
少ししゃがんで喋ると
「本当にありがたい…この事は私の国の国王の耳にも入るでしょう。私達と手を組む気は?」
俺は後ろにいる皆と目を合わせると
「あぁ…同盟はまだどことも組んでなかったんでね…こちらこそありがたいよ」
「そうだよ隊長さん。気にするなって」
ガルトラもレノンも乗り気の様だ。もちろん俺だって歓迎だ
「あそこで貴方達を助けるのは当然ですよ。気にしないでください」
「あぁ…改めてありがとう。今度何かあったら私を頼ってくれ」
「あぁ、いつかお世話になるかもしれませんね」
ウォルとアルトもそう言っている。やって当然のことだ。みんなのおかげで今全員生き残っているんだからな…
明日は多分投稿少し遅れます