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推理ゲームには頭を使う  作者: 西松清一郎
7/25

2-3

「ある家の床に」ウェイターが言った。「脱出用のトンネルが掘ってあった」


 これにまたも若月が口をはさむ。

「海外のマフィアならそこまでするらしいがね。こんな短い話に大人数の協力者がいたら、それはスマートとは言えないよ」


「警備員は新人だとおっしゃいましたね」

 やにわに語り出したマスターに、二人の酔客は「お」と楽しげな視線を向けた。


「他にも様々な手がかりが与えられたように思います。犯人はなにゆえに銃以外に武器を携帯していたのか。逃走の際、人質も同乗させなかったのはなぜか。私が思いますに」


 マスターの低くも力強い口調、そしてその口元を見つめる若月の期待に満ちた双眸(そうぼう)。これらは田切がものを言う余地をたちまち、空間の隅へ追いやってしまった。


「犯人と警備員はある時点で入れ替わったのでございます。おそらく目出し帽の『男』が『警備服の男性』を殴った時点で、その交代は完了していたのでございましょう」


「銃に込められていた弾は全部でいくつだったろう」若月が訊ねる。


「一発きりでございます。犯人が一発撃った時点で、銃は弾切れになったはずです。場所は銀行ですから、外に集まったマスコミや警察から見えない物陰は多分にあったと思われます。犯人は銀行関係者を退出させたあと、着衣をまるごと警備員と交換します。そして(から)の銃を渡すと、持っていた他の凶器をちらつかせながら、こう言います。『俺に銃を向け、お前が犯人の振りをしろ』と」

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