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推理ゲームには頭を使う  作者: 西松清一郎
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2-2

 やがて、怯え切った様子の人質を抱えた男が出て来て、こんな要求をしました。『逃走用の車を用意しろ』と」


「それもありがちだね」若月の言葉に、マスターの失笑が漏れた。田切も思わず微笑みつつも、その先を続けた。


「警察は要求通り、一台の乗用車を銀行前に停めてやりました。犯人を刺激しないため、車に一切細工(さいく)はしませんでした。トランクに警察関係者が隠れている、なんてこともありません。さあ、男は鞄をつかむと、銃で威嚇しながら車に乗り込み、エンジンをかけました。当然パトカーがサイレンを鳴らしながら、車を追跡します」


「警察は」喋りたくて仕方がなかったのか、若月が割って入った。「銀行に通じる道を全てバリケード封鎖した」


「はい。当然ながら激しいカーチェイスが始まります。男は無謀にも道を逆走したり、電柱にぶつかったりしながら逃走をはかります。そのうち、バリケードの一つに行き当たった男は車を捨て、なおも逃走を試みます。誰の目に見ても、住宅街に逃げ込んだ犯人は断然不利に思えました。しかし」


 田切はここでもったいを付けて、言葉を切った。そして言った。「犯人はまんまと行方をくらますことに成功しました」

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