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9.蔑む

遅くなり大変申し訳ありません。



 青年の後を上空を飛行しながら追いかける。

道中たくさんの人達に話しかけられその都度、お婆さんの荷物持ち、喧嘩の仲裁、迷子の少女の親探し、頼みを何でも受けてしまうほどの優しい、お人好しな人間なんだろう。




それから、討伐組合に辿り着くまでにかなりの時間掛かってしまった。その原因はあの青年だ。

数歩歩けば頼まれ、再び歩けばまた頼まれる。周囲の人間も青年を信頼しているのか頻繁に頼み事をされている。しかもその都度、食べ物や消耗品のお礼を貰いそれを(ミステリーポーチ)にしまう。を繰り返しやっとのことで組合に到着することができたのだ。


 組合は木で作られているがその硬さは並の木では到底出ない強度だ。討伐組合ということもあり討伐した木の化物を使っているのかもしれないな。


青年が中に入ったのであとに続き組合の中に入る。組合の中も一面木だけで作られている。ここにいると木材の香りが漂いとても心地よい。


ふと、目を横に反らすと建物を支える柱に短く先の尖った鉄柱が斜めに突き刺されて尖った先端からは燃料もなしに燃え続け辺りを明るく照らしながら火が揺らめいていた。これが魔法というものなのか。


魔法で作り出したとはいえ普通の火となんら変わりはないのですぐに飽きてしまった。

しばらくして青年から離れオルスらしき人間を細かく探すがそれらしき人間は一人もいなかった。『オルスはここの雇われてるんだ、戻ってくるだろう。』




オルスが組合には帰ってくるのを1日中待っていたが戸の出入りをするのはお留守とは似ても似つかない体の大きいおっさんや軽装の青年、杖を背中に下げた少女...身長や体型は当てはまる人間はいるがどれもオルスではない。


 オルスの居場所を知るため頭を抱えているといい案を思いついた。


『俺は水を少しだけ操ることができるってことを活かして、組合にオルスの居場所を尋ねる手紙を出せば場所がわかるかもしれないじゃん!俺って天才!』


そうと決まれば早速、カウンター奥にある机が並べておいてありそこに同じ服を着た職員が幾人も淡い光を放つ道具を使い、手にもった素材へと近づけると道具が『カタカタ』と音がしたのも束の間、職員が紙に字を次々と書き記していく。この感じからすると素材の査定をしているのだろう。


職員は真剣に査定しているようで、周囲など気にも止めず手際よく記入していく。ペンを走らせる音に羽音を忍ばせインクと紙をこっそりと持ち出す。


難なく持ち出すことに成功し、すぐさまインクを操り紙に字を書こうとしたのだが...




『俺、字かけねぇーじゃん!もっと早くに気づけばよかった!』


頭を抱えながらベッドバンキングを数回した。再び、オルス探しは最初からになってしまったな。


組合に戻り、自分の馬鹿さに呆れて落ち込んでいると


「おいおい、聞いてくれよ。没法のオルスが街立図書館でまた勉学に励んでたんだよ」


「ハハハハ!!懲りねぇやつだな!いくら努力しようと没法(ボッポウ)のやつが弐法位以上の魔法は使えねぇってのにな!」


「違いねぇ!ヒァハハハハ!」


二人が話しているオルスは俺の友人のオルスのことを言っているのか、もしくは同名の別人を嘲笑っているのか、わかりはしないがオルスと言う友人の名を笑うことに対して軽い怒りを持ったが、俺にはこいつらに懲らしめるほど力も知恵もない。



ちなみにさっきの会話を聞くことができたのは二人の近くにあった飲水を少し拝借させてもらったわけよ!


聞いたとおり街立図書館の方へと足を運ぶ...いや、羽を運ぼうか。






 図書館へは以外とすぐに到着することができた。

道中、本を持った人間(おそらく学生)が数人で一本道を歩いているのを見つけなんとなく後をつけるとここに着いたってわけ。


 図書館まで来るのは簡単だったんだが、中へ入ろうと利用者と同時に入ったらなにかに弾かれてしまって中に入ることができないんだよなぁ。


 魔法ってやつなのか原因は不明だが建物が古いからどこかに入れる場所はないか探さないと。

しかし図書館がとても大きいため細かいところまで確認している暇がない、なので地面を掘ってみることにした。


無心に穴を掘って掘って掘りまくっていると穴が繋がった。がまだ侵入に成功したわけではない、誰かが図書館の下に穴を掘っていたのか俺の何十倍もありそうな大きな通路があった。図書館の方へと進むと木でできた床扉が図書館内に繋がっていた。


扉をゆっくりと開け周囲をみるが何年も使われていないのだろう。ホコリが積もっている。


ここは物置?何に使うか分からない道具があちこちにある。興味はあるのだがここには遊びに来たわけじゃない。


そっとこの部屋でひとつだけのドアをそっと開けると目の前に白髪だらけのでかい机に座ったおじいさんがこちらを凝視していた。

読んでくださりありがとうございます!




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