8.悲惨な1日
8話にしてネタが尽きてしまいました。
やっぱり考えなしに小説なんて書いてはいけませんね!笑
ふたり揃って肉串を食べ終え満足したようでお腹をさすっている。
しばらくの間露店を見て回り辺りが暗くなってきたのでスラムの奥にある簡単に作った木製の小さな小屋に戻り2人と他愛もないことをしていると先にクリフが目元を手で擦り眠たそうにしている。
眠たそうなクリフに気づいたナーシャがクリフを横に寝かせ唄を歌っている。
唄に反応したクリフもぽつりぽつりと口ずさみやがて口の動きが止まり眠りについた。
しばらくするとナーシャの歌声もだんだん小さくなっていき、数十秒もしないうちに唄声が止まった。ナーシャの方を見るとどうやらナーシャも寝てしまったようだ。
さて、俺も寝ようかなと目をつぶり小一時間が経過したが、一向に寝ることができない、それ以前に睡魔が来ない。あくびの一つもこの世界に来てからしていない。
もしかしたらこの体は睡眠を必要としないのかもしれない。
こんな夜遅くに人探しをしても見つけることができなさそうなのでナーシャとクリフの間に挟まり朝までおとなしくしておこうと思う。
しかし、ずっと気になっていたのだがナーシャの周りにいる小さい虫のような赤色にほんのりと光っているたぶん生き物だろうものがフラフラと漂っていた。
それを理解するのは不可能と悟りこのまま夜が明けるのを待つ。
数時間が経過しただろうか、日が昇り『ギュルルポルッボ!』となんとも不思議な鳴き声とともにナーシャが目を覚ます。
ナーシャが立ち上がり伸びをした時、スラムの方から少年のだろう大声が響き渡った。
何事かと声のした方へと顔を向けるとそこには3人の大人が小さな少年を殴る、蹴るの暴力を振るっており
「**********!***********!」
なにかを言った少年の服は少し膨らんでおり服の中に何かを隠し持っているようだ。
おそらくは盗んだものなのだろう。
ナーシャの顔を見ると青ざめており微かに震えていた。
しばらくすると3人の大人たちが少年の持っていたパン、水、フルーツを取ると
「************!」
おそらく捨て台詞を吐き、その場から去っていった。ナーシャが慌てて少年へと駆け寄り介抱しようとしたが少年の体は青あざで酷く痩せこけた姿だった。
今も虫の息になりながらも緑色の液体が入った小瓶だけは守り、虫の息になりながらも「********」と言葉をボソッとつぶやき、這いずりながらも前へと進んでいる少年へナーシャが魔法を使い傷を癒そうとしているのだが何度魔法を使用しても傷が塞がらず血だまりを広げながら少年は徐々に弱っていき最後は息を引き取った。
しかし、少年が数人で暴行を受けているのに周りは仲裁に入らないということはここでは暴行や死体が出るのは日常茶飯事なのだろうか?そうだとしたらここに長居はできないな。
なにやら少年の持っている小瓶をナーシャが持ち辺りをきょろきょろと見渡している。透明な小瓶の中は
たがそんなことをして何か得するわけでも幸せになるわけでもない、探しに行こうとするナーシャを必死に止めようと身振り手振りで説明を試みるが必死の説得も虚しく全く通じていなかった。
『こんな時に言葉を理解できない、話せないってのはとても不便なものだ。どうにかして言語を理解したいんだがな。』
そんなことを考えているうちにナーシャがどこかへ駆けていき気づけばどこにもいなかった。
やれやれと肩をすくめる。
そういえばクリフを置いてきて居たよな、何もすることないしそばに居てあげるか!
寝ていた場所へ戻るとそこにはクリフは居なかった、だがその付近にナーシャが付けていた髪留めが置いてあった。
たぶんナーシャがクリフを連れて行ったのだろう。ここで待ってろなのかさよならなのかその意味はわからない。
だが俺は最初の目的だったオルスの捜索に勤しもうと思う。
『討伐組合の場所もわかったしそこに行けば会えるよね』
人通りの多い大通りには布の服を着た市民と違いなどないむしろ違いを探すほうが難しそうな皆同じ色同じ形の鉄の鎧を着た人おそらくこの街、国に仕えている騎士達だろう。
そして、統一性がなく個々の自己主張の激しい装備をしている人、おそらくこれらが討伐組合の人なのだろう。
『オルスも以前討伐組合の人は皆名を轟かせようと記憶に残りやすい派手な装備にすることが多いって言ってたしな』
じゃあ早速、高そうな武器を背負った爽やか青年のあとをつけてみようかな。
皆様、体に気をつけ健康な毎日をお過ごしください。