3.新たな体
3話遅くなり申し訳ありません
目が覚めた。
その瞬間今までに感じたことのない痛みを感じその原因の場所、手に視線移すと視界に移ったのは無残にも食い散らかされ、千切れている腕だった。それだけにとどまらず腹部にもいくつもの穴が開いていた。これほどの傷を確認した俺は『よく生きてられるな』と自分を称賛しい気分だった。
右方向に横になり光を失った目をして水面に浮かぶ小魚たちがいた。動けないことをいいことに小魚たちが俺のことを食べてたが電気がわずかに帯電しており感電して死んだのだろう。大きな魚であれば丸のみだからな。
「があああああ‼滅茶苦茶いてぇ!だが、痛みを感じるってことは生きてる証拠だな」と軽口を挟むも痛みに耐えきずうめき声をあげる。このままこの場所にとどまると弱ってるところを襲われる危険性があるため急いで岩陰に身をひそめるのだった。
痛みに耐え続け肩で息をしていたのだが痛みで1秒1秒が長く感じて正確ではないかもしれないが体感で20時間程経過しただろうか、傷口が塞がり手も完全ではないが生え出している。手が生えてくる感覚は実に奇妙だったが手が再び生えてくることが分かり安堵する。
先程の場所に戻り水面に浮いている2匹の小魚を見る。藻のようにおいしそうな匂いもせず食べたと思うこともないが藻とは違って大きな個体だきっとポイントもたくさん持っているだろうと思い無理にでも食べる。すると口の中にざらざらとした青臭く粘りのある身が口の中を満たした。
万が一にもこの魚が毒を持っていたとしても自分を食べようとするような魚を食べた時に何を得られるのかといった好奇心が湧き吐き出すことをせず飲み込みやすいように咀嚼したのち飲み込んだ。すると捕食ポイントがたったの1口で15ポイントも貯まったのだ。そのポイントの多さに喜びすぐさま残りも食べ始める......。
2匹をすべて平らげた時に得られたポイントが 【306P】溜まっていた。藻を食べていた時はこれだけ集めるのに長い時間必要だったが小魚だけでこんなに貯まるとは、コイモドキを食べておけば今より沢山手に入っていたと思うと損をした気分になってしまう。
「これだけあるなら成長値を上げても大丈夫だな、さっそくポイントを振っていこう!」興奮気味にポイントを振っていくそして必要なすべてのポイントを振り終えた後、あの時と同じように体から光が溢れだした。
陸で生きていけるような生き物になっていることを願い体を変化させていく、今度は光が収まるのに2分ほど必要とした。いったい自分はどような生き物になっているのか「表示」と言いボードを表示させた。そこに書いてある種族を見る。
【アクシー】
水の中だけでしか生きることのできない妖精。常に水とともにいるため水の声を聴くことができ約200年もの間水と共に生きることで水を自由自在に操ることができる。人間により妖精の数が減り、アクシーは世界に20匹ほどしか存在しない。人間の間ではとても高価な値段で取引されている。水に含まれるマナを吸収することで生命活動の維持が可能になる。
「な、なんだよこの種族、数は少ないし水から出られないし俺TUEEEするには200年も必要だし人間は天敵でこれまた生きていくには苦労しかなさそうな種族になってしまった。」ちなみにステータスは何も変わらずそのまま引き継ぎだった。
残念種族になってしまい落ち込んでいると自分の体が人型になっていることに気づく、細かいことなどをするにはこの体、人型の方がうまくできるので先程までの落ち込みが薄れるぐらいにうれしかった。ちなみにこの体に性別はないようだ。なぜわかるかって?そんなの股触れば大体わかるだろ。
それからアクシーになってからというもの魚たちが襲ってくるどころか俺を慕うように泳いでいるようだった。
この種族は水の守り手になっているらしいが今の俺は敵にダメージを与えられるほどの攻撃値を持ち合わせていないのでポイントで上昇させるかしないとまともに戦うことすらできない。現在所有しているポイントの数が【268P】持っている。このポイントを使って少しでも攻撃値を上げるべきか迷い現在の攻撃値の確認をしようとステータスを開く。
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種族名 アクシー
個体名 陽斗
能力値
生命 14
攻撃 26
耐久 8
俊敏 15
運 27
成長値 0/250
【アクシー】
水の中だけでしか生きることのできない妖精。常に水とともにいるため水の声を聴くことができ約200年もの間水と共に生きることで水を自由自在に操ることができる。人間により妖精の数が減り、アクシーは世界に20匹ほどしか存在しない。人間の間ではとても高価な値段で取引されている。水に含まれるマナを吸収することで生命活動の維持が可能になる。
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攻撃よりも耐久値が低すぎる、耐久がなくちゃ攻撃する前にやられてしまうな。
しばらく悩んだ後ポイントの半分を使うことにした。本当は何かあった時まで残すべきなんだろうが思い立ったらやってしまわないと気に入らないので割り振る。ポイントを140消費し耐久値が7上昇した。これで耐久値が15になったわけだがこの値がどの程度なのか全くわからないので小魚に喰われるぐらいなのでかなり低いほうだと思われる。ほんのわずかだがこれで即死する可能性が低くなったと思えば少しは安心だな。魚たちと共に水中を遊泳していると機械声が聞こえた。
『3捕食ポイント獲得しました』
「え、まだ何も食べてないぞ?なんでポイントがもらえるんだ?もしかしてマナの吸収が捕食扱いなのか?今はそれしか説明できないのでマナということのしておこう。
食べずとも定期的にポイントを得られるのはありがたいな」
俺は自動でポイント集められることに感動したのだった。