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1.目覚め

今回が初の投稿になります。

うまく書けているかは分かりませんがご一読いただければ幸いです。

 長い夢から覚めたような朧気な感覚から意識がはっきりとしてきた。眠りにつく前の事を思い出そうと試みるが以前は人間で名前が陽斗(はると)ということ、最低限の知識以外は思い出せなかった。周りを見渡そうと目を開こうとすると


「う、眩しい」


 光に目が慣れておらず開けることができなかった。目が見えない状況で周囲の状況を確認しようと思うのだが先程から体が浮いているような感覚がある。

 それよりも今いる場所の把握が先だ。まずは足元を探ってみるが地面にすら触ることができない、やはり浮いているようだ。

 次に頭上を(まさぐ)ってみるがやはり触れるものがない。そこで目が慣れてきたのか開けることができた。目の前に広がる光景に驚いた。


 なんと、俺がいる場所は水の中だったのだ。

慌てて息を止め水面に上がろうとするがあることに気が付いた


「水の中なのに呼吸ができる」


 水中での呼吸は元人間の俺には違和感があった。違和感を抱いたまま自分の姿の確認しようと手を見てみると「なんじゃこりゃああ!!」

 なんと俺の手が透けている!まさかとは思い体も確認するとこっちは透けて内蔵を見ることができてしまったのである。この透け具合といい枝分かれしたような手といい、俺は間違いなくミジンコになってしまっている!

 俺は驚きを隠せずに口を開け放心してしまった。それから、数分経過した頃には違和感を抱くことはなくなった。

 

--


 どれくらいの時間が過ぎたのだろうか、日はちょうど真上にある。そう昼時である、人間は今頃昼食を摂っているのだろう。しかし、それはミジンコの俺も例外ではない!空腹なのだがミジンコが何を食べるのか分からないので本能に従って散策している最中なのだ。


 しばらく食料を探し漂っていると少し離れた場所に藻を見つけた。普通なら藻などに食欲が湧くわけがないのだがミジンコなってしまったせいだろうか、とてもおいしそうに見えてしまう。俺は恐る恐る口にしてみると、意外と食べることができた。胃袋に入るだけ食べ満足していると脳内に機械のような声が直接聞こえてきた。


「6捕食ポイントを取得しました。ステータスの上昇が可能です」


 機械のような声に突然話しかけられ心臓が止まりかけた。


「捕食ポイントってなんだ?」

謎の声の主に聞いてみるが返事が返ってこない、自分でどうにかしろと言われている気がしたが、まぁいいだろう

 

「たしか謎の声はステータスの上昇ができるって言ってたよな、どうやってステータスってやつを見るんだ?」


 そもそも上昇できるって言われても上げ方が分からないんじゃ意味がないよな、そのうち見れるようになるだろう。


 

 それから何日、いや何週間経過しただろうかここ数週間の間、藻だけをひたすら食べては寝てを繰り返しいた。食事をしてない時間で探索した結果、ここは池だと言うことが分かった。


 毎日胃袋の限界を超えてまで食べた甲斐があり捕食ポイントやらが【218P】も溜まっていた。いまだにこのポイントの使い方がわからないが貯めて損することはないだろうと思われる。


 「さ〜て、今日も日課のポイント集めに行くとしますか!」張り切って藻を探している最中にふと思ったのだが、どの小魚もミジンコである俺を食べようとしないのだどちらかと言うと近づくと逃げていくぐらいなのだ。もしかしたらこの世界では、ミジンコは強いのかもしれないな。


 そんなことを一人で言っていると前方から小魚達が勢いよく俺の横を通り過ぎた、何があったのかと思い前に向き直ると、そこには小魚ではなく鯉のような大きな魚が口をパクパクしながら泳いできていた。


 俺も慌てて逃げようとするが、ミジンコにはヒレがないので思うように泳ぐことができずがむしゃらに「おい!機械声!ポイントでこの状況をどうにかできるようにしてくれ!」そう叫びながらクロールしていると突然俺のミジンコの体が光に包まれた。


 強い光を直視してしまった鯉のような魚はその場で(たけ)り狂っていた。


 そんなコイモドキを尻目に体が徐々に大きくなっていることに気がついた。30秒程すると金魚程の大きさになっていたがミジンコに変わりはなかった。


 コイモドキの方に向き直るとコイモドキはこちらを警戒してるのか俺の周囲を旋回しながらからこちらを見つめている。


 またしても突然に機械声が「上位個体へ突発成長が完了いたしました」

「じょ、上位個体?」と俺がない首を傾げていると何もないことを確認したコイモドキが再び襲ってきた、がなぜか先程の焦りはなく『勝てる』といった自身に満ち溢れていた。


 成長したからなのか、脳内に見たことのない言葉が浮かんでいるが、不思議とその言葉が理解できた。その言葉を復唱すると体から電気を放っていた。電気に当たったのか、コイモドキが痙攣した後、水面へ浮かんでいった。俺の勝利だ。


 コイモドキに勝利することの出きた俺はステータスを見ようと、必死になって表示方法を探っていた。よくある『ステータスオープン』や念じてみたがうんともすんとも言わなかった。もう諦めてコイモドキを食べようかと思い

「やっぱり表示されないか〜」と呟くといきなり半透明な黒の板が俺の目の前に現れた。これも唐突に現れ驚いてしまうがよく見ると俺の求めていたステータスが表示されていた。

--

 種族名 ジンコル(変異体)

 個体名 陽斗


          能力値     

         生命 14

         攻撃 26

         耐久 8

         俊敏 15

          運 24

        成長値 118/150

 【ジンコル】

 小魚より少し小さめで半透明なことで知られている。この生き物はとても弱く数が少ない。とても珍しい生き物、日が出ている時間は岩陰に隠れ眠り、夜に活動を始める、人々の間では『水の中の金』と言われる程値で取引される。

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