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エピローグ

数ヶ月後。

 エルフの村の片隅。キーナの研究室には、栄太が残した機械の残骸と、彼女が書き溜めた膨大な数式が並んでいる。 


 キーナは、栄太の無線機をベースに、エーテル回路を強引に組み込んだアンテナの調整を続けていた。

 窓の外を見上げれば、あの「大穴」は塞がることなく、ただ不気味な黒い傷跡として空に居座っている。


「……栄太。あなたが教えてくれた『科学』は、魔法をさらに遠くへ届けるための翼だって、私、信じてるわ」


 彼女がスイッチを入れると、アンテナが青白く発光し、大穴に向かって細い信号を放ち始めた。


 ――その時だった。

 キーナの耳元で、無線機が奇妙な「拍動」を刻んだ。

 それは栄太の心音のようでもあり、あるいは、全く別の何かが目覚めた音のようにも聞こえた。


 キーナの表情が凍りつく。デバイスの画面に、彼女の知らない文字――「ETHER FOUNDATION(エーテル財団)」のロゴが、かつての栄太の装備と同じ紋章と共に、ノイズの中から浮かび上がった。


「……これ、は……?」


 彼女の放った信号が、時空の彼方で誰に届いたのか。

 再会への希望を抱くキーナの瞳に、初めて見る「未知」への戦慄が混ざり合う。


 空を裂く風の音だけが、彼女の問いかけを闇へと連れ去っていった。

短い作品ですが、読んでいただきありがとうございます。

良ければこの物語の補完要素を含む作品群もお楽しみください。

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