残り:360日
そんなこんなでボォーとただ考えごとをしているとあっという間に3日が経って退院日になっていた。
「身体に特に異変はないか?」
中野さんが優しく声を掛けててくれた。
「はい大丈夫です」
「じゃ、寮暮らし頑張れよ」
「心配ありがとう」
中野さんは僕を見送り、病院へ戻った。
退院した僕は寮に戻らず、病院の近くにあった商店街へ向かった。
僕は高校に上がるまで本当中野さんちいるか、病室にいるかのどちらかだったので商店街という景色は新鮮だった。
「すげー見渡す限りお店しかない、商店街に行けばなんでも揃うんじゃないか」
僕はそう驚きながら呟いた。
しばらく商店街をぶらぶらと歩いていると光とあった。
「おぉ、阪田じゃん身体大丈夫か?」
「大丈夫だ、もう元気よ」
「元気そうで何よりだ」
「光は何してたの?」
「俺いっつも暇だからさ、こうやって暇潰してるんよ」
「なんかいいな」
「だろ」
そんな会話続けながら商店街を歩いていると、ふと目に入った精肉店のホットスナックが僕の気を引いた。
「あそこのお店のコロッケ食べない?」
「おーいいね、食べよ食べよ」
僕らは精肉店に入り、コロッケを買った。
「こういうお店のコロッケってたまに無性にたべたくなるよな」
「そういうもんか?」
「大体そうだと思うよ」
光と商店街を回っているとあっという間に夕方になった。
「もうこんな時間か、そろそろ帰るか」
「そうだね」
「じゃあな阪田」
「うん、ばいばい」
光と別れて僕は寮に帰った。
寮に着き、なんとなく「ただいま」というと「おかえり」とかえってきて僕は久々に聞いた「おかえり」で
少し嬉しかった。
「阪田、身体大丈夫なの?」
「退院できるぐらいには」
「よかったー」
朝田は一気に気が抜けたかのように言った。
「とりあえず、飯作るな」
「いいよいいよ、今日は私が作るよ」
寮に来た初日を考えると朝田はずいぶん物腰が柔らかくなった。
「いいのか?」
「もちろん、任せなさい」
朝田は自慢げにいった。
「そうか、ありがとう」
僕は楽しみに朝田の料理を待った。
「で、出来たぞー」
夕飯を作るといった時とは真逆の声で朝田は僕を呼ん
だ。
僕は朝田の料理を見た瞬間、朝田が何故あんな反応だった中がよくわかった。何故って目の前には真っ黒な塊がテーブルに並べられていた。
「これ、何作ったんだ?」
「……ハンバーグ」
「今から作ろうか?」
「お願いします」
僕はこれからは朝田にご飯を作らせないと心の中で誓った。




