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残り:363日

ピッピッピッと聞き慣れた音がうっすらと聞こえるようになって来て目を覚ますと、僕のベッドに顔を埋めて寝ている朝田と本を読んでいる中野さんがいるのが見えた。カレンダーを見ると日付ご一つ進んでいた。

「おっ起きたか阪田、まさか定期診察をしてからこんなすぐ会うとはな」

「僕も来たくて来たわけじゃないですよ」

「まぁお前も頑張ったらしいからな」

「そう言えばなんで朝田がここにいるんだ?」

「その子なら阪田が救急搬送されてから病室に入った時からずっとお前に付きっきりで看病してたぞ」

「そうか感謝しないとな」

中野さんと話していると、朝田が目をこすりながら起き上がった。

「俺はそろそろ退室すな」

朝田が起きると同時に中野さんは病室を出た。

「阪田が起きてる」

朝田の眠そうにしていた顔がパァと明るくなった。

僕はその顔を不意に見てかわいいと思ってしまった。

「どっどどうした」

僕は動揺して言葉がうまく喋れなかった。

「どうした?大丈夫か阪田」

「お前こそ、どうしたんだ前よりもなんか物腰柔らかくないか?」

「そんなことはいいんだよ、阪田は大丈夫?」

「大丈夫だよ」

「よかったー」

朝田と少し話すと朝田は寮へ戻っていった。少し病室が寂しくなり、窓の外を見ていると聞き覚えがある声が聞こえて来た。

「おーい坂田元気かー」

そんな元気な声が耳に響いた。

「はいはい、元気だからそんな騒ぐなって」

「あーすまんすまん」

「そう言えば、今学校はどうなっているんだ?」

「後一週間くらいで現校舎が入って大丈夫になるからそこまで休校中だぞ」

「そっか」

「まぁ体調に気をつけなよ」

「うん、心配ありがとう」

「じゃ学校でな」

僕はその明るい声にうん、とだけ答えた。

結局一人になった病室の中で考え事をしていた。

「これからどうしようかなー」

そう一人なのに声を出してしまった。 

僕は今悩んでいることがある。それはこれからの僕の道筋がどうなるからだ。

「うむむむむ」

そう唸り声をあげながら考えていると中野さんが病室に戻ってきた。

「どうしたの?中野さん」

「いやー退院日とお前の病題を伝えようと思って」

「今はどうなんですか?」

「お前が倒れた理由は一酸化炭素中毒だ。お前の病気とは関係ないからその辺は安心しろ」

「分かりました。で、退院日はいつですか?」

「退院日は3日後だ、それまで安静にしといてな」

「オッケーです」

「じゃあな」

「ありがとうございました」

僕はさっき考えていたことの続きを始めた。

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