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今日は入学式だ。僕の青春の始まりであり、絶望への第一歩だ。

僕は朝田より早く起き、朝食の準備をしたり学校へ行く準備をした。

「んあー起きてたのか阪田」

「おはよう朝田」

「お前、本当に適応力高いよな」

「昨日も言ってたけどどう言うこと?」

「大体こういう時って逡巡するものなんじゃないの?」

「いやーその辺割り切ってるからなー」

「そうか」

彼女はそう言って朝食を食べはじめた。

朝食を食べ終え朝の身支度を終わらせて、僕は学校へ出発した。

寮なのもあって学校にはすぐ着いた。

学校に着き、入学式を受けた後何故か、僕ら新入生は旧校舎へ移動させられた。

なんでも今、現校舎では科学部の実験が大失敗し、危険な状態らしい。

そうして僕ら新入生は、クラスごとに仮教室に移動した。クラス名簿を見ると朝田が同じクラスだった。

「なーなー、あんたどこ出身?」

クラス名簿見たりしながら、先生が来るまで時間を潰していると前の生徒が話しかけてきた。

「あーすまん、名前入ってなかったな俺の名前は多賀光、気軽に光って呼んでくれ」

「わかったよ光、どこ出身だったかね僕は埼玉の方の出だよ」

「埼玉の方か、俺は神奈川の方だこれからよろしくな」

光と話しながら時間を潰していると、ジリジリジリと火災報知器がなった。

「なになになに」

一緒に話していた、光がお手本みたいな驚き方をしていた。

最初の数秒はみんな慌てていて、避難できていなかったが、少し経つと少し落ち着きみんな避難した。無論僕もみんなと一緒に避難した。

校庭に出ると、先生たちがいてみんなの避難誘導をしていた。ふと旧校舎をみると炎が激しく揺れていた。

「これだいぶやばそうだな」

「そうだぬ」

一緒に避難してきた、光と話しているととんでもない話が回ってきた。どうやら朝田が校庭にいないらしい。

僕はそのことを聞いて無意識のうちに立ち旧校舎へ走った。

「ちょ、どうした阪田旧校舎危ないだろ」

そう光に止められたが、僕の足は止まらなかった。

ボゥーボゥー

そんな音がするくらい燃え盛っている炎の中、仮教室へ向かって走った。

バタン!と扉を勢いよく開けると朝田が教壇の上に立っていた。

「何してんだ朝田、早く避難するぞ」

「こっちこそ聞きたいよなんでいるんだ」

「朝田がいないって聞いて旧校舎まできた」

「あんた馬鹿なのか」

「馬鹿で構わんから早く逃げるぞ」

「嫌だ」

「なんでだよ」

「死にたいからよ」

「そんな理由認めない」

「なによ、自己中ね」

「自己中で構わん」

「あんたにはわかるの一人で生きていくのがどれぐらい辛いのか、両親が目の前で死んだショックが」

「わかるなんてお世辞でも言えないが、一つ言えることがある」

「なによ」

「ここで死ぬのはよくない、僕の持論だけど死んで残るのは後悔と愛だけだ」

「それがなんだ、それが残るから死ぬなってことか」

朝田は語気を強くして言った。

「違う、ただ朝田の両親が残してくれた愛を無駄にするなってことだ」

朝田は何かに気づいたように、ハッとした表情になった。

「そんなに引き止めるならいいわよ早く逃げましょ」

「やっとか」

僕は朝田の説得に成功して、身体の力が抜けると今まで無茶が祟って足がふらついてきた。

「おい阪田大丈夫か阪田」

その言葉を聞いて僕はうん、とだけ答えて走って逃げた。

そうして、旧校舎を出ると更なる安心でとうとう僕は倒れた。

「阪田、阪田、阪田!」

その言葉がぼんやりとだけ聞こえて意識を失った。

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