ホーリーサンクチュアリ
俺と王国軍とで協力して機械自治区を叩くことになった。俺に実力を見せるために量産型の機械兵に関しては王国軍のほうで対処してくれるということだ。俺もメイとの戦いで魔力を消耗しているのでかなりの数の機械兵を相手にするのはしんどい。一般兵士もそこそこの数がいるからそれで対応するとのことだ。それでも一般兵士が量産型の機械兵を10体から20体くらい倒さないと足りない。どんなに一般兵士たちが優秀だったとしても1対20の多人数戦はなかなか想定して訓練はしないし、なによりそこまで体力が持つ兵士も少ないだろう。
「そこで私の出番なんです」
サラが自信満々にいう。戦場もだいぶ盛り上がってきている。王国兵士たちの士気が伝わってくるような声が西街道に響いている。先の2回の戦いとは全然ちがう。一般兵士たちだけで量産型機械兵と互角に戦うことができている。あと一押しバフ系の魔法を使えばこれはもしかしたら一般兵士たちだけで量産型機械兵たちに関しては倒しきってくれるのかもしれない。
「ホーリーサンクチュアリ」
サラを中心に巨大な白い魔法陣が展開される。魔法陣は戦場となる西街道を広く包む。俺もこの魔法陣の範囲内に含まれているからわかる。この魔法陣からは自分の力をそこあげする魔力を感じる。魔力も上昇するし、おそらく、単純な身体能力も向上されているだろう。実際に一般王国兵たちは量産型機械兵を次々を倒すことができている。この魔法は俺の想像以上だった。昔グランダートの街で勇者一行に絡まれたときの女僧侶系魔法使いがつかっていたバフ魔法よりもはるかに優れている。まず、サラの技術力が圧倒的だ。西街道全体に広がる魔法を展開し、そのうえで一般王国兵士だけに対してバフをかけているという精度がすごい。これだけ大きな魔法を展開していると操作を間違えて敵に対して強化を与えてしまうこともある。さすが王行軍の隊長に選ばれるだけの実力を持っている。いや、しかし、それなら
「それなら、やはり先の2回の戦いもこれでくるべきだったんじゃないか??」
「それは前もいいましたが、あれは敵に戦力を誤認させるための囮です」
「囮って……それで死んでいった人たちはどうなるんだよ!!」
「そんなのちゃんと計算済みです。あれはゴーレムです」
「ゴーレム??」
「はい、国王様の王家に伝わる魔法ゴーレム錬成によるものです」
ゴーレム錬成の魔法は王家だけに伝えられる魔法だという。なるほど、この魔法だけで1個人が1つの軍隊を持てると考えるととても強力な魔法だった。戦況はどんどん王国兵側有利となっている。王都ギリギリまで来ていた戦線も西街道真ん中くらいまできた。そうとう押し返している。しかし、ここで巨大な敵が現れる。
「一体これ、どうなってんの~??」
聞き覚えのあるギャルの声。
「なんか、前よりめちゃつよくね??」
こちらもチャラそうな男の声だ。
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