王国軍の最終兵器
俺は一通り機械自治区の戦力についての説明を終えた。しかし、俺には少し心配なことがあった。
「ところで王国軍って機械自治区に勝てるだけの戦力はあるのか」
シーンとした雰囲気が隊長たちの間で流れる。
「何を当然なことを聞いているぞ??」
アックスが怒った表情でこちらに問いかけてくる。
「私が王国軍の最終兵器なのです」
そう言いだしたのは奥の方で座っていた僧侶系魔法使いの女だ。やはりこいつは相当なバフ魔法の使い手なのだろうか。
「であれば、なぜ最初からお前が出てこなかったんだ」
僧侶系の女はムスっとした顔をした。
「私にはちゃんと名前があります。サラです。サラって呼んでください」
「サラ、どうして最初から出てこなかったんだ??全力で来なかったがゆえに一般兵たちは被害にあっているぞ」
「作戦です。私たちの戦力をこのくらいと見せることで錯乱させるんです。事実、機械自治区は先ほど2回の戦いで勝てると踏んで全戦力を投入してきた。これを圧倒的戦力で叩き潰すんです。これが王国軍が古くからとってきた隊と隊同士が協力する際の作戦です」
確かに俺がいままで見てきた王国軍の動きは隊単位での行動だけだった。今回のような大きな戦いは起きないからそういったところまでは知らなかった。
「なるほど、じゃ、ちょっとそれを見せてくれ。最初の量産型機械兵の隊群を処理してほしい」
「いい」
メイがすごく短い発生で承諾してくれた。メイのこの話し方は会話を終わらせるレベルで冷たい空気が走るので苦手な気がしてきた。そういえばあと一人しゃべっていないやつがいたな。
「おま……名前聞いてもいいか??」
「リンです!!よろしくね!!」
こりゃまた新しいタイプの女だ。この声の高い感じは長く接しているときっと疲れるだろう。最低限の会話で済ませよう。
「ねぇねぇ、デューク君はどんな魔法使うの~??」
あぁ、なんかめんどくさいの予感
「なんで機械自治区裏切るの~??」
話聞いてたか??
「なんで王国軍には属さないのに国王様の言うこと聞いてるの~~??」
あぁ、そろそろうざったくなってきた。こんなことを思いながら俺はとあることに気づいた。
「アックス。この空間。お前大変だな」
「ん?なんのことぞ??」
この男、鈍いのか。それとも見た目によらず女慣れしているのか……。王行軍の隊長クラスは変人ばかりだったか。
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