王国軍の弓矢
メイとの闘いに勝った俺はメイに自分の作戦を伝えて、協力をしてもらおうと思った。
「メイ、耳を貸せ」
俺はメイの耳元に口を近づける。ここからが一番大変だ。機械自治区を裏切るのと王国軍から信頼を得るのとでやることが多い。頼むぞ。メイ。いい感じにやってくれよ。
「いまか……っ!!」
作戦を伝えようとしたところでおしりのあたりに激痛が走る。おしりのほうへと目をやると、矢が刺さっていた。俺は矢を抜いて治癒魔法を使う。矢の先端には毒も仕込まれてる。全身にしびれが走る。治癒魔法を上手く使って解毒もしなければならない。まったく。弓矢をつかう王国軍のやつといえばあいつしかいない。かなりの凄腕だ。そんなことを考えてるうちにまた弓矢が飛んできた。俺は転移魔法で場所を変える。また毒を喰らっていては体勢の立て直しに時間がかかる。
しかし、俺は致命的なミスに気が付く。メイを置いてきてしまった。メイを仲間にして作戦を成功させるつもりがやってしまった。しかし、もう一度メイのいる場所へと転移したら、またあいつに狙われる。今飛んできた弓矢も王都から飛んできていた。やつは王都から俺を攻撃してくている。ただの弓矢なら防御魔法を展開すれば問題はないが、やつはその対策を持っている。展開した防御魔法を一発目で破壊してすぐさま二発目の弓矢で殺しにかかってくる。まったくとんでもないやつだ。戦場の方に目をやれば、あいつの弓矢の攻撃で破壊されている量産型の機械兵も見える。まったくどんな威力を持ってるんだあの弓矢は。やるしかない。メイのところへ転移魔法でとんでメイを回収。その後すぐにまた転移魔法を使って飛ぶしかない。回収するところで一瞬隙が生まれる。この隙をあいつが狙ってきたら俺は、死を覚悟するしかないだろう。でも、安全な橋だけを渡って成功するほど今回の作戦は簡単じゃない。ここを乗り越えれば、ここを乗り越えれば俺の作戦は大きく成功へと近づくはずなのだ。やろう。
俺はメイのところへと転移をした。そしてすぐにメイの体に触れる。予想通り矢が飛んできた。終わった。今回の矢は俺の頭をめがけて飛んできている。それでも俺は転移魔法を使ってここから逃げるしか思いつかなかった。間に合ってくれ。なんとか無事に転移を成功することができたみたいだ。
「間に合った……」
しかし、急に地面が下に下がったような感じがした。あれは一体……。
「あんたを助けるなんて私どうかしてるわね」
メイが小さな声でつぶやいたのを俺は聞き逃さなかった。そうか。こいつの魔法で俺は救われたんだ。
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