あのときとはちがう
そうだ。昔からそうだった。このメイという女は的確に人の弱点をついて攻撃してくるタイプの魔法使いだ。対処もあのときと同じでいいだろう。魔法使いはどうしても攻撃するときに魔力を練る必要がある。それはそうだ。魔法を使って攻撃をするのだから。そのとき、さすがの俺でも魔力探知ができるくらいの魔力を発する。探知して居場所を見つけて叩く。あのときもそうやって対処をした。今日も同じだ。集中力を研ぎ澄まして、メイの居場所を探す。一瞬メイの魔力を感じたが、またどこかへ消えてしまった。何かを構えて転移したといったところか。再び魔力探知を集中して行う。そして俺の想定とは違う展開がこのあと起きた。それもそうだ。メイはバカじゃない。あの時と同じ手が通用するわけがない。魔力探知に集中していると背後に魔力を感知した。それと同時におれの腹に金属が突き刺さる。それと同時に生暖かいものがあふれ出てくる。腹に目をやると剣が刺さっていた。なぜ??
「あのときと同じことをするわけない」
メイの冷たい声が俺の耳元でそうつぶやく。メイは俺から剣を抜く。そして抜いた剣に魔力をかけて杖に戻す。なるほど。メイは杖を剣に変えておれの後ろに転移して魔法以外の攻撃で襲撃してきたのか。昔のメイは魔法で攻撃をしていて俺に探知されて倒されていた。
「あなたが本気で殺しに来ないのが悪い。戦場で情けはいらない」
俺は飛行魔法を維持することができず、落下していく。このまま落下すれば地面に叩きつけられ、地上にいる王国兵たちに集団での攻撃を受けてしまう。とりあえず、俺は転移して姿を隠すことにした。
急いで手当だ。回復魔法で応急処置をする。
「私はあなたを魔力探知できる」
メイが目の前にいる。魔力探知でここを見つけたのか。俺は再び転移魔法で転移をする。しかし、転移先にすでにメイがいた。おれの転移先を探知して先回りしたようだ。
「フレイムストリーム」
「フレイムストリーム」
同じ魔法で相殺をする。いまの現状、圧倒的にメイの方が有利だ。相殺している場合ではない。
「フレイムストリーム、アクアキャノン、ストーンバレット、エアランス」
メイが立て続けに攻撃を仕掛けてくる。自分の状況が有利であることを自覚している。俺は同じ魔法で相殺する。
「やはりあなた。手を抜いているわね」
セオリー通りに動かない俺をみてそう判断しているようだ。
「むかつく…」
ん?いまなんていった??
「むかつくんだよ!!あんたのせいであのあとの私はひどいめにあった!!」
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