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守るもの

 国王軍の兵士たちが王都に住んでいた人々を避難させる。ただの兵士はこの戦いに参加するだけ足手まといだ。そういった誰にでもできる仕事をやっていてほしい。もっとも名のある兵士であろうとも俺とオスバルト様の戦いに入ってこれない。この戦いに入ってこれる人間はそうそういないだろう。

 転移と攻撃の繰り返し。攻撃先の対象は転移をしてしまうために攻撃魔法は建物に命中してしまい王都がどんどん破壊されていく。


「逃げてばかりでは勝てんぞ。お前は王都を守れていない」


そんなことを言われたって王都はあとからでも建て直せる。住民たちが非難する時間を稼ぐことができているのならばそれで十分だ。


「さぁ、そろそろみんなが非難したころだろう。本気の戦いをやろうぜ。弟子よ」


オスバルト様は再び転移をする。転移先はルルの隣だった。


「お前に失う辛さを教えてやろう」


ルルに向かって本気の魔法攻撃を放とうとする。オスバルト様の無属性魔法攻撃は防御魔法を貫通する威力を持っている。まずい。国王様のご息女をここで失ってしまうだなんんて許されることはない。俺はルルに転移魔法をかけて対処した。


「どうやらまだ弟子に転移魔法を教えていないようだな。ちゃんと生き残る術は教えてやらないとだめじゃないか。失うぞ」


執拗にルルのことを狙ってくる。ちゃんと転移魔法まで教えこんでいればここまでの足手まといになることはなかっただろう。くそ時間が足りなかった。俺の魔力が限界に近づいてきた頃、オスバルト様は飛行魔法を使って王都上空高くへ昇る。


「まだ、お前が失うものはたくさんあるぞ」


オスバルト様の手から大量の魔力が放出される。これは魔王と戦っていたときくらいにしか使っていなかった魔法だ。


「フレイムデストロイヤー」


王都一面を爆発によって発生した炎が包む。炎は建物を焼くよりも前にデストロイの魔法によって破壊されていく。俺も限られた魔力を使って飛行魔法でオスバルトの近くに昇り、破壊の炎から逃げる。こんなものに巻き込まれたら一瞬でこの人体も破壊されてしまう。だが、俺には一つ気になることがあった。


「ルル!!生きてるか!!」


まさか早々にしてルルを失ったのか。


「弱い。まだまだ私には到底及ばない」


燃える王都、失ったルルのことを考えて俺はもう怒りに身を任せていた。


「殺す!! たとえオスバルト様といえど許せぬ!!ダーク…」


「杖を構え魔力を準備するまでの時間が遅い、エア」


基本風魔法のはずだがかなり強力な風が吹かれた。耐えきれず杖を手元から離してしまった。


「お前の役割はここで終わりだ。いい弟子だったよ。さようなら。フレイムストリーム」


杖なしでは魔法を使うことはできない。これで本当に俺も終わりみたいだ。俺はもう生きる希望を失って飛行魔法を解除していた。


「アクアストリーム」


破壊の炎の中から水の渦が昇り、オスバルト様の魔法と相殺する。渦の中にいたのはルルだった。


「デューク様、お気を確かに」


飛行魔法で再び発動し空中浮遊する。杖を呼び寄せて戦闘の態勢を整える。


「ほう、破壊の炎の中を水属性防御魔法だけで耐えたか。なかなかの実力だ。やはりあの子、邪魔だな。やるなら今しかない」


オスバルト様はルルの方へと下降し、魔法で殺そうとする。


「エアストリーム」


オスバルト様が飛んでいるところを妨害する。オスバルト様の飛行ルートをずらすことができ、ルルを守ることができた。


「アクアシュート」


オスバルト様が飛んで行った先にルルの水魔法が当たる。魔力探知で正確にオスバルトの飛ばされる方向がわかったみたいだ。


「小娘も立派な戦闘員というわけだな。侮れないな。よろしい本気といこうか」


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