信用
俺とルルは連れていかれるままに歩くのだが、途中でおれとルルは別々の部屋へと収容されてしまう。そして俺に対してはかなり雑な扱いをしてくる。部屋の中に俺を入れるときなんか俺のことをまるで投げ入れるかのようにしたのだ。おかげで俺は、地面に叩きつけられる。縛られた手のせいで受け身をとることもできない。
「ボスがお前に会いたがっている。しばらく待ってろ」
いきなりボスとご対面できるとは。これほどまでにことがうまく運ぶとは思っていなかった。これであとは協力を申し出れば国王様の作戦通りというわけだ。機械自治区、これで落ちたな。内心、よろこんでいるとボスがやってきた。思ったよりも若い、ガラの悪いお兄さん的な人がやってきた。長年、王国の目の上のたん瘤として存在してきた機械自治区を治める長なのだから、もっと立派な人がやってくるかと思っていた。
「貴様がデュークか。魔王の手先のな」
やっぱりそっちで有名になってしまったんだな。まぁ、そんなところはどうでもいい。ここは彼らの仲間になれるようにどうにかうまいことを言おう。
「あぁ、そんなわけで、いまは国にはいれないんだ。こっちでなら俺は力になれると知っている。機械自治区が戦争をしかけたってことも知っている。俺ならその力に、戦力になれる。どうか俺をここにおいてくれ」
俺のセリフが終わったとともに俺の顔の真横を銃弾が飛んだ。
「てめぇは何様のつもりで俺に提案をしているんだ。いろいろわかっていないようだから説明してやろう。俺たちが戦争を仕掛ける理由はお前らにある。なんでオスワルドが、王国の人間が魔王として今君臨をしているんだ」
それは俺が一番知りたいところだ。俺は俺の目の前でオスワルド様の魔王宣言を聞いたのだ。俺が一番不思議におもっているのだ。
「今の王国は信用できない。そんな王国に俺たちは革命をもたらそうとしているんだ。第二に、俺たちは魔王側の人間にも協力する気はない。俺たちだって魔王を倒そうと動いているんだ。そのための兵器も作っている。魔王オスワルドの弟子に手を貸すわけにはいかない」
ここでもこれが足を引っ張るのか。本当に勇者御一行は足を引っ張る。俺の旅の思わぬ障害となっている。
「最後に、お前が信用できない。お前が王国側のスパイかもしれないし、俺たちはお前の力を借りなくても王国軍を倒せるだけの作戦はある。であれば不安要素は徹底的に取り除く。そのほうがいいんじゃないか??」
このボス、見た目のわりにしっかりとものごとを考えてる。最初の二つはどうしようもないが、この信用の問題ならどうにかできるだろう。
「なら、俺に一ついい提案がある。ボス、それで俺を信用してくれ」
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