遺跡の奥底
ルルはルンルンと戻ってきた。
「どうだった?楽だったか??」
「はい、デューク様のおかげでとても簡単な試練でした」
「それはよかった。よし、せっかくリーフビエント遺跡に来たんだ。いつもの魔導院とは違うからな。ちょっと奥までいくぞ」
ルルはデュークに連れていかれるままついていく。他の魔導院とは違ってこの魔導院には他にはない階段があった。地下へと続く謎の階段。この下にはいったいなにがあるのか。火属性魔法を明かりにして一つフロアを降りるとそこには小部屋がたくさんある廊下があった。回廊とでもいうべきだろうか。
「これはいったい……」
「遺跡の住民の住居だ。彼らはここで生活をしている」
言われてみれば、回廊にはときおり、死者が徘徊をしていた。
「日を浴びることができない彼らはここで生きていくしかないんだ。生きているかどうかは定かではないがな」
明かりも十分ではない。火属性魔法のおかげでようやく足元が見えるくらいだ。この暗さがより一層悲しい感じを引き立たせる。この地下に引きこもっているような人たちは生きている人たちのことをうらやましく思っている。足を踏み入れてそのまま帰ってこない研究者や学者がいるという。
「さ、見るべきものは見た。ルルはやく帰ろう」
そのことを恐れておれはルルに早く帰るように言う。前回オスバルト様とここに来た時にはとくになにもなかった。しかし、それでも危険であることには変わりはない。
「きゃっ!!」
予想とは逆に、ルルの腕が死者の魂に捕まれる。魔法の力で物理的干渉もある程度はできる。
「お前もまた奪いに来たのか」
死者は続けてしゃべる。
「俺の体……返してくれよ。なぁ、どうしてこうなっちまったんだ。なにがあったんだよおおおおお!!」
死者は発狂してそのまま泣き崩れた。俺とルルは恐怖を感じてその場から立ち去った。
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