リーフビエントの試練
ルルは連れていかれるままに奥の部屋へと入っていった。扉が開かれるとそこにはなにもない広い空間があった。案内人の死者は説明を始める。
「リーフビエントの試練の内容は簡単です。いまから風の攻撃がきます。それをどうにかしてください。すべての攻撃をどうにかして生きて帰ることが試練の内容です。では」
そういって死者は消えてしまった。便利な体を持っているなとルルは思った。体が消えると同時に風の攻撃が始まる。とにかくその攻撃は速かった。ルルはその攻撃を防御魔法で防ぐか、転移魔法で避けるかどちらにしようか悩んだ。基本的にただの風属性の魔法くらいであればどちらの選択をとってもよいだろう。対魔法使いとの闘いであれば転移魔法で避けてこちらからまた攻撃をしかけるというのが定石だ。しかし、これは試練だ。きっとなにか裏があるかもしれない。ここは防御魔法を選択しよう。これがルルの考えだった。
「うっ!!」
一発目の風属性攻撃を防御魔法を展開して防いだが、この風属性攻撃のおかしなところに気が付く。防御魔法はだいたいの攻撃は防ぐことができる。相手の方が感知能力が高く、転移先がすぐにばれて転移先で攻撃されることを防ぐために使う。この防御魔法が使えないときといえば、相手が無属性魔法をつかってくるときくらいだ。風属性の魔法で防御魔法が崩されることはない。つまりこれは、転移魔法を使う試練だったということだ。防御魔法を破られる前にルルは転移した。
「はっ!!」
転移先はすぐにばれる。転移したと同時に新たな風属性魔法の攻撃をルルは感知した。さっきまで展開していた防御魔法が風属性魔法で真っ二つになっているところも確認した。これは、どうやらミスったら本当に死ぬやつだということも確信した。つまり、この試練の本質は相手の攻撃を素早く探知して避け続けるところにあるようだ。ルルはその後、得意の魔力探知で風属性攻撃を避け続ける。転移魔法も探知もデュークに仕込まれた。リーフビエントの試練も楽々とクリアができそうだ。
「ふぅ……」
こうしてルルは難なく試練を突破した。
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