国王の作戦
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「それでは、機械自治区殲滅のためにお前たちには私の駒になってもらう」
国王様からの作戦はとんでもないものだった。勇者のせいで国を追放された俺たちを上手く使う作戦だった。まず、俺とルルは機械自治区へと赴く。国を追われている我々のことを自治区は受け入れてくれるだろう。そこから先は自治区の作戦に乗りつつ、頃合いを見て、自治区を裏切るというのが国王様の作戦だ。なかなか腹黒いことを考える国王様だ。
「そんなにうまくいくようなものでしょうか……」
ルルが不安そうな声を出す。
「大丈夫だ。ルルよ、私の考えではきっとうまくいく。ではよろしく頼んだ」
これで国王様の連絡は途絶えてしまった。なんかとんでもなく雑な指示を受けたような気がした。この先は俺たちは国王軍を相手に戦う身になるってわけだ。念のためルルにもしっかりと魔力解放を仕込んでおこう。
「ルル、早速だが、修行だ」
俺はベッドから起き上がる。
「デューク様、大丈夫なんですか??」
「時間がない。早くやろう。最近の噂では機械自治区はとんでもない兵器を作ったらしい。それと戦えるだけの力を身に着けるんだ。そして、この戦争を勝つことで俺たちが国民を救うんだ」
ルルも納得した様子で修行に取り掛かってくれた。俺たちは、世界樹をジェンと見た時の港の広場へといった。俺はオスバルト様からあのとき教わったのと同じようにしてルルに魔力解放を教えていく。
「いいか、ルル。俺たち魔法使いの基本は変える力だ。魔法使いは魔力を火や風などに変えて魔法としている」
「その感覚はわかります。ただ、私は水にしか変換ができませんけど」
「で、俺が今からルルに教えることはその逆だ。攻撃を俺にしてみろ」
「アクアストリーム」
結構ガチな魔法を叩き込んできた。まったく、お試しなんだからそこまでしなくていいのに。王女様にそのへんのさじ加減は難しいのだろうか。俺は手をルルの魔法に向けて差し出す。手のひらでルルの攻撃魔法を受け、水を魔力に変換する。
「つまり、逆に物質は魔力に変換できるというわけだ」
「こんなことができるんですね。いままで見たことも聞いたこともありませんでした」
「ルルは水属性魔法が使えるからな。水属性魔法で俺が攻撃するから、それを魔力に変換するんだ」
こうして俺とルルの特訓が始まった。