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世界樹に願いを

 俺は飛行魔法を使って、世界樹へと向かって行く。


「何をするかわかりませんが、とめておきましょう」


マイヤの拳が俺をめがけて襲い掛かってくる。あの大量の水をくらったら、俺はきっと海に叩き潰されるだろう。しかし、俺はジェンのことを信じていた。きっとどうにかしてくれるはずだ。俺はかまわずそのまま進み続ける。


「エアストリーム」


ジェンが風属性魔法を唱えた。いったいどういう風に対処をするのかとても気になるところだが、その様子を見るほどの余裕はない。俺はまっすぐとりあえず進むしかないのだ。そんなことを考えながらとんでいたら、突然俺は突風に吹き飛ばされた。ものすごい速度で世界樹のところへと吹き飛ばされる。まさか、ジェンの対処方法はこれだったのか。俺はそのまま世界樹にぶつかった。遠くからみたときには枯れ木だったが、やはり近くにきてもこれは枯れ木だ。乾いたような音を立てて俺のことを受け止めてくれた。そんなことを感じたと同時に水の巨人の拳は海へと叩きつけられていた。たしかにあれを防御できるほどの魔法はなかなか放つことはできないだろう。

 さて、早くやるべきことをやろう。上陸をしてから気が付いたのだが、この島は足元も木になっていた。どうやら島だと思っていた、陸地だと思っていたもの全体が世界樹そのもののようだった。根はきっと奥底のほうにあるのだろうか。木の枝というべきだろうか。あたりには細い世界樹の先端がすこしずつ生えている。ちょうど杖と同じくらいのものだ。これを伐採して杖を作っているのだろう。

 俺はマイヤを倒すために地面に手を置いた。ここも世界樹ならこれが一番やりやすい体制だ。ちょうどあの頃の修行と同じ姿勢をとれる。


「マグス」


やることは少し違う。俺の魔力を世界樹に注いでいく。思った通りだった。杖の原料になっている世界樹は杖そのものとして使うことができるようだった。しかし、想像以上に魔力を持ってかれる。これが島に上陸したら死ぬってことなのだろう。この世界樹は魔力を吸い取っている。そして魔力を吸い尽くせば今度はその者の魂を勝手に魔力に変換して吸い取るのだ。この感覚を俺は知っている。魔力解放のときの感覚だ。魂を魔力に持ってかれる感覚。この魂のつなひきはいつもやっているそれに近い。引っ張る力がいつもの何倍もあるが、それでもうまく調整すればうまく使えそうだ。世界樹の先端から白い光が漏れだす。魔力の塊だ。俺は俺の死ぬギリギリをせめて魔力解放状態を維持する。これがきっと世界樹伝説の実態だ。イデアはきっと世界樹を杖として使って魔法を放ったのだ。マグスの中にマイヤが飲み込まれていく。


「デューク!!」

「デューク様!!」


ルルとジェンはヴァーテルパーニーから光り輝く世界樹を見ていた。


「ルル、世界樹伝説の続きを知ってるか」


「いえ、なにかあるんですか??」


「世界樹に向かったイデアはな」


ジェンが一度言葉を溜めてから言った。


「死んだんだ」


それを聞いたルルは世界樹へと飛び立った。白い光は収まり、水の巨人の姿はそこにはなかった。

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