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 嵐の前の静けさという言葉がよく似合う。マイヤが海に落ちてから争いの音は一切なくなった。海の波も荒れることもなく。風も静かな風が吹いている。雨雲の晴れた青い空は平和の象徴ではないだろうか。もしかして本当にこれで全部おわったのかもしれない。俺は魔力解放状態を解いた。


「デューク様!!」


遠くからルルが走ってやってきた。ボロボロになって戦った、疲れた表情をしているルルがそこにいた。まるで一つの戦いを終えたあとのようだ。その後ろからジェンもやってくる。ジェンの方が戦いを多くこなしたのか、激しい戦いをしたのかボロボロになっていた。二人とも誰かから回復をしてもらっていなければ歩いているのがおかしいというくらいに疲れた顔をしている。


「デューク。マイヤはやったのか」


「海に落ちました」


納得をしたようにジェンは首を縦に二回振った。何か起きるのか。何も起きないのか。本当にこれで終わりなのかよくわからない。海に向かっていたマイヤのあの姿を見るとどうしても胸騒ぎがする。


「デューク様。マイヤをどうやって倒したのかあとで教えてくださいね」


俺はルルに魔力解放の話をした。ルルにも教えようと思う。魔力解放を身に着けるくらいまでにルルは立派な魔法使いになったのだ。俺よりもはるかに成長速度は速く、センスもある。王族の魔法も使えて今後の伸びしろがまだまだある。水属性魔法しか使えないルルが無属性魔法まで使うことができるようになれば、戦いの幅も広がる。


「お前がまさかオスバルトからあれを教わっていたとはな」


この様子を見るに、どうやらジェンはこれを教わっていないようだ。ジェンもジェンで優秀な魔法使いであることに変わりはないが、どうやらそこまでの領域には達しなかったようだ。

 そんな会話をしながら、俺たちは緊張感を失っていた。もう終わったと思い込んでいたのだ。しかし、俺がさっきかんじた嵐の前の静けさというものは的中することになる。


「この世界に海ってどのくらいあると思いますか」


聞き覚えのある声が響く。この丁寧な感じの言葉遣い。マイヤに間違いない。そう確信したと同時に海の水が壁となって反り立った。空へと昇っていく海はやがて一つの形を形成する。海の水がすべてなくなったとき、それは完成した。


「これが私のとっておきです」


俺たちの目の前には大きな足しか見えなかった。おそらくこれは水の巨人なのだろう。マイヤは海の水すべてと結合していたのだった。

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