魔力解放
「すこしは慣れてきたか??」
オスバルト様からの攻撃を吸収し続ける訓練をした俺はある程度の精度でオスバルト様の攻撃を魔力に戻すことができるようになっていた。
「ならば次の段階にいこう」
オスバルト様は地面に手を付けた。次の瞬間、地面がなくなった。くりぬかれたかのようなくぼみが地面にできてしまった。
「これが俺がお前に伝えたいものの二段階目だ。すべての物質は魔力にして吸収することができる」
そんなことができたらすべての攻撃を吸収できる最強の力じゃないか。
「そんなことができたらすべての攻撃を吸収できる最強の力じゃないか。そんなことを考えていそうな顔をしているな。これはそんなに甘くない。集中力も必要だし、得られる魔力も少ない。攻撃を自分に一瞬でも着弾させる必要がある。毒性のある攻撃はそれだけで死ぬぞ。あくまでこれは最終目標のための過程にすぎない。はい、特訓だ」
俺は手を地面につけてオスバルト様の攻撃を吸収したときの感覚を思い出す。しかし地面にはなにも変化は起きない。
「これはそんなに簡単じゃないぞ。俺の攻撃はもともと魔力だったから簡単に魔力に戻せるが、地面はそうではない。地面を魔力に変えるのは相当な技術がいる。回数をこなしてつかむんだな」
そう言われたあとに俺は地面にずっと手をつけて地面を魔力に変えようとした。何度も何度も何度も。なかなか地面は魔力に変わらない。それどころか、俺の集中力がどんどん削られていく。数か月この作業が続いた。4か月くらいしたころにようやく地面が少し減った。着実に成長はしているが、膨大な時間がかかる。毎日毎日この修行を繰り返す。さらに6か月。ようやく、地面にくぼみをつくることができるようになってきた。
「合格だな。最終段階に行くぞ。この効率の悪い魔力変換だが、唯一有効活用する方法がある。魔力変換効率のいい物質があってだな。人間の生命力。すなわち魂だ。これを魔力に変換するとすさまじい魔力を得られる。これを俺はこう呼んでいる」
なんかとても懐かしいことを思い出した。
「俺の本気、知らないだろ」
マイヤに向かってどや顔を向ける。
「魔力解放」
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