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足手まとい

 国王様からのもう一つの任務は意外なものだった。


「こいつをお前の下につける。連れていけ」


入れ。という国王様の言葉で玉座の間に入ってきたのは一人の少女だった。誰だ。という言葉がのどまで出てきたが、飲み込んだ。どこか国王様に似ている。髪の色、目の形、似た雰囲気だ。まさか…


「わしの娘じゃ。魔法使いとしてはそこそこの実力がある。連れて行ってくれ」


そのときの国王様の手が震えていたのを俺は見逃さなかった。でもそこにはあえて触れずにおいた。


「国王様どうかご勘弁していただけないでしょうか。どう考えても足手まといにしかなりません」


「なにを言う。お前もまたその足手まといだっただろう。オスバルトの手によって今のお前がいる。同じことをしてやれと言っているだけだ」


「ですが、国王様の大切なご息女を守り切れるとは…」


「守れといっているのだ。オスバルトは言っていたはずだろう。人を失う辛さ、守る大変さを知れと」


とんだ無理難題を押し付けてくる国王だ。自分の娘を見殺しにする気だろうか。


「オスバルトのことを一番知っているのはお前だと言っていたが知らないこともあるだろう。それを知る機会だと思え」


仕方なく受け入れることにした。


 国王城をあとにしてこの少女を連れて訓練場へと行くことにした。訓練場とは戦闘訓練をするための施設だ。この場所にはゴーレム人形を永遠の錬成する魔法がかけられており魔法を当てる練習などによく使う。俺もストーンの魔法を当てる練習に昔使っていた。


「さて、まずは名前は?」


「ルルといいます」


「じゃ、まずはルルの力を見せてもらおうか。そこにいるゴーレムを魔法で破壊してみて」


「アクア」


水鉄砲のような攻撃がゴーレムに当たる。ゴーレムは破壊され新しいゴーレムが錬成された。毎度これだけの魔法を使える人間っていったいどれだけの魔法使いなのだろうかと思わせられる。


「使えるのは水属性魔法だけか」


ルルは首を縦に振る。マジか。という気持ちがでた。昔の俺は4属性すべて使うことができるから優秀だったのにこの子は1つの属性しか使えないのか。本当に足手まといじゃないか。いや、きっとオスバルト様も同じ気持ちでいたのだろう。オスバルト様からすれば当時の俺なんて…。いや今でももしかしたら足手まといだったのかもしれない。こんな気持ちをオスバルト様は抱えていたのか。なるほどな。国王様の狙いはこれだったのかもしれない。俺の知らないオスバルト様の一面ってのはオスバルト様と同じ立場にたって初めてわかるものだ。守り切らないといけないな。これはある意味国王様の覚悟の一つなのだろう。


「わかった。修行をしっかりとつける必要があるな」


「はい、よろしくお願いします」


「俺は厳しいぞ」


オスバルト様もこんな感じだっただろうか。

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