ある日の修行
「いいか。デューク」
これはおれがオスバルト様に弟子入りをして1年が経ったころの話だ。オスバルト様に転移魔法や魔力探知など基礎の一連を教わったおれが次に教わった魔法だ。
「いいか、デューク。俺たち魔法使いの基本は変える力だ。魔法使いは魔力を火や風などに変えて魔法としている」
この感覚はわかる。魔力を魔力のまま体の外に出すことは非常に難しく感じるが、魔力を実際に存在する物質に変化させて体の外に出すことならできる。
「俺たちが普段使っている魔法の基本4属性、火、水、風、土。これらが基本になったのはその考え方が元になっていると言われている」
火属性魔法のフレイム。水属性魔法アクア。風属性魔法エア。土属性魔法ストーン。これらが基本中の基本になって魔法理論は構築されている。
「で、俺が今からお前に教えることはその逆だ。攻撃を俺にしてみろ」
「フレイム」
どこまで本気でオスバルト様に攻撃をしていいのかわからなかった俺はすこし手を抜いた攻撃をした。杖から放たれた小さな炎はオスバルト様の手をめがけて飛んでいく。しかし、その炎はオスバルト様の手に吸収される。
「逆に物質は魔力に変化できるってわけだ」
その考えに至ったことはなかった。いや、この考え方をもっている人は少ないのではないだろうか。いままで読んできたどの魔導書にもこのことは書かれていなかった。
「さぁ、特訓のはじまりだ」
オスバルト様の攻撃が始まる。
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