援軍
雨が降る空。その空を覆うのは魔物たちだった。
「お前、魔王の手先だったのか」
マイヤの指示のもと、集まった魔物たち。マイヤはヴァーテルパーニーの市民たちを避難所へ避難させる指示を出していた。どこに市民がいるのかわかっている。魔物たちは市民たちのところへ向かっているだろう。こいつを倒すよりも前にそっちへ行くべきかもしれない。
「ふふふ、私の援軍。ようやく来てくれました。これでこの街は私のもの」
「なるほどな。4つの大きな街の中でこの街だけ被害がなかったのはお前がいたからか」
「あぁ、平和的に街を落とす方法がこれだったんでね。時間はかかりましたが、我々魔物にとって時間は大した問題ではありません。さて、市民のみなさん、さようなら」
「ルル、お前は、避難所に行って魔物を倒してこい」
ルルが避難所に行こうとする。足元を水の弾丸が襲う。
「行かせませんよ」
マイヤはルルの足止めをする。無詠唱ゆえ、高速で放たれる魔法のせいで避けるのに手いっぱいだ。
「ストーン」
土属性魔法で攻撃をするが、やはりマイヤには効かない。
「無駄ですよ。無駄だとわかっていることをしないでください」
「俺が行く」
声の主はジェンだった。右腕を失ったはずのジェンだったが、彼はまだ立ち上がったのだ。彼の左手には彼の右腕があった。彼の右腕は杖だった。
「エアスピア」
風の槍がマイヤに突き刺さろうとする。しかし、案の定、マイヤに攻撃は効かない。ジェンは目のまえから姿を消していた。
「どうやらジェンは避難所に向かったみたいだな。ルルお前も行け。こいつは俺一人でやれる」
「ストーン」
土属性攻撃でマイヤの気を引いて、ルルがジェンの魔力を追って転移魔法を使う隙を作った。
「さて、これで1対1だな。遠慮せずに本気を出せるってわけだ」
「それはどうでしょうかね。あの小娘とジェンさんだけで魔物たちを倒せるのでしょうか。この雨に隠された秘密にまだあなたたちは気づいていないそうですね」
「ふん、俺の本気もわからないだろう??」
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