国王の策略
国王様はブルースに外に出るように指示を出した。ここからは他の兵士を呼びながら話を進めるということだ。
「ランスロット。入ってきなさい」
入ってきたのは一人の王国兵だった。鎧は身に着けているが顔の鎧は身に着けていない。きっとそこそこ実力のある王国兵だ。金髪のさわやかイケメンが入ってきた。どっかのタンクトップ筋肉バカとは大違いのさわやかさを感じる。
「ランスロットだ。よろしく」
俺とランスロットで握手をする。ルルとランスロットもその後握手をした。ルルが俺の後ろに一歩下がる。
「さて、ここからは私の策略だ。君たちには私の駒として動いてもらう」
国王様の話は次のように続いた。オスバルト様の機械自治区襲撃。これを受けてオスバルト様を倒すことを早急に処理すべき問題であるとして考えた。フラムラハブに現れた魔物たちも転移魔法の魔法陣が街に現れてから魔物が現れたとのこと。これもオスバルト様の仕業ではないかということだ。これだけのことをやっているとオスバルト様が今後どのような形で世界に悪影響を及ぼすかわからない。だから早いうちにオスバルト様を処理したいということらしい。
「そこで私は二つ考えた。一つはランスロットに頼む。デスペラードを探せ。オスバルト討伐の協力を仰ぐのだ」
俺はその名前を聞いて驚いた。開いた口がふさがらないとはまさにこのことだろう。デスペラードというのはかつて唯一オスバルト様が負けた魔法使いだ。かつては王国兵として働いていたこともあるらしいが任務のたびに部下が全滅しデスペラードだけが生き残るという。調べによるとデスペラードの範囲即死魔法が部下にもあたっていたということだ。結果、デスペラードは王国兵を首になり、どこかへ消えていったという。
「承知いたしました。このランスロットにお任せを」
「国王様!!いくらなんでも反対です!!あなたはデスペラードの恐ろしさをわかっていない!!同じ魔法使いからすればあいつは!!」
「じゃ、お前が行くのか??オスバルトでも倒せなかったデスペラードの前でお前は何ができるんだ」
返す言葉がなかった。
「もう一つはお前とルルに頼む。引き続きオスバルトの倒し方を考えろ。杖なしの魔法を探るために魔物研究所にいったのだ。だったら次に向かうべき場所は南の街ヴァーテルパーニーにいけ。杖といえばそこだろう」
ヴァーテルパーニーは杖の名産地だ。世界に出回っている杖の100%がここで作られた杖だともいう。
「それに南の街だけなにも起きてないのが気になる。これから何かが起きるのであればお前たちを向かわせておきたい」
国王様がそう命じるのであれば仕方ないだろうか。俺たちは国王のもとを離れようとする。
「デューク。最後にオスバルトを倒すのはお前だ。そう信じておるよ。お前のことを信用してるからこその采配だ。だからこそルルのことも任せているのだ」
まったく。この人は人の心を読むのがうまい。
「面白い!」「続きが読みたい!」などと思ったかたはぜひ、ブックマークと評価を、できれば星5つをよろしくお願いします。
していただいたら作者のモチベーションになって更新頻度や作品の質が上がるかもしれません。
ぜひ、よろしくお願いいたします。