世間の変化
俺とルルとブルースで王都まで戻った。途中、街道を守る王国兵たちや東門にいる王国兵たちに蛇のような皮膚をしたブルースのことを怪しまれることが多々あった。なんせこの蛇っぽい皮膚を隠すためには鎧を身に着ける以外の方法が思い浮かばず、ブルース隊長が鎧を身に着けてるなんておかしい!!タンクトップはどこへいった!!なんていうよくわかんないことを言われて疑われるケースが多かった。幸い、魔物と融合しても声はいままで通りであったから、声でごまかし、最後には怪力を披露することでどうにか信じてもらえることになる。
「国王様、ただいま戻りました」
「おぉ、よくぞ戻ったぞデューク。愛しい愛娘の顔も久々に見れてうれしいぞ。……それで、その鎧の男はいったい誰じゃ??」
「ブルースです」
俺から説明をするしかないだろう。
「国王様。とても高度な機密の話をしたいので周りの兵士をこの部屋から出すことは出来ますか??」
「わかった。お前の言うことならそうしてやろう」
王国兵たちは部屋から去っていった。それを確認した俺はブルースに鎧を脱ぐように指示する。鎧の中から現れるのは蛇のような質感の体。形は明らかにブルースなのにどうみても蛇の皮膚だ。
「ほう、これはどういうことか……」
俺はグランダートで起きた出来事を説明した。オスバルトの襲撃。魔物研究所の地下室。マッドの本性。バジリスクという魔物。フュージョンという魔法のこと。
「なるほどな。グランダートでそんなことがあったのか」
国王は悩ましい顔をした。これは一体どういう感情なのだろう。
「それで私は王国兵として働くことはできるのでしょうか」
「なにを言っている。当たり前じゃないか。即死の目、猛毒の皮膚。戦うには素晴らしい能力じゃないか。ただしそれだけのことを多くの兵士に行っても理解してもらえないかもしれないな。今グランダートにいる兵士たちを君の専属の部下としてつけよう」
「ありがとうございます」
「そんな素晴らしい能力を身に着けた君にとっておきの任務がある。が、その前にすこし世の中の情勢について話す必要がある」
そういって国王様は俺たちがグランダートにいる間に起きた出来事を話した。起きた出来事は大きく分けて二つ。まず一つ目がここから西にある機械自治区での反乱が活性化してきているという。機械自治区は国に対してのレジスタンス組織とでも説明をしておこう。それこそ数百年に及ぶ長い対立をしており、たまに戦争だってする。最近はお互いがお互いを尊重する流れで平和路線だったのだが、どうやらオスバルト様が一人でここに攻撃を仕掛けたらしい。オスバルト様をみて王国の仕業だと思い込んだ機械自治区が武装を始めたという。ここには王国兵たちを送って戦争の準備をしているとのことだ。
もう一つは北の街フラムラハブにて大量の魔物が発生したという。ざっと100万匹だという。街は魔物で満員電車のような密度になっているという。これだけの密度だと魔物も暴れはしないのだが、街としては機能停止だ。
「ブルース。お前のその能力でフラムラハブをどうにかしてくれ」
「承知いたしました」
「じゃ、俺たちは、機械自治区か」
「いや、そっちは王国兵に任せよ。お前たちを巻き込むことではない。これは政治的な問題だ。お前たちには別のことを頼む」
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