グランダートの地下
ルルが話した内容は次の通りだった。グランダートに入ったときからこの街は何かが変だということを感じていた。
「デューク様。この街、変です」
ルルの方が魔力探知がうまいからか、俺には全くわからないことだったが、グランダートの地下からは何も魔力探知ができなかったという。初めて王都以外の街へきたからそういうものなのかと思っていたのだが、事態が一変したのは魔法使いの試練を受けるときだったという。試練場の四つ角の柱から魔力を感じたという。それは東街道でキャンプをしたときにみた結界魔法と同じだったという。結界がそこにあることを感じたルルはその結界が地下に魔力探知ができないことと関係があると考えたという。だから柱を破壊する攻撃を続けた。あの攻撃は外れたのではなくそっちを狙ったものだったのだ。試練場の柱を破壊した結果、グランダートの地下を魔力探知ができるようになったという。そこには今まで魔法使いの試練を受けていた魔法使いたちの魔力の存在を探知することができたという。これはそこに行くべきだと判断したルルはゴーレムにやられることを決断した。特殊な転移魔法で転移した先は案の定地下だという。そこにはやはり今まで魔法使いの試練でゴーレムに負けた魔法使いたちがそこにいたという。
「あなたもここにきたのですか」
一人の魔法使いがルルに話しかけてきた。
「ここでは魔法は使えません。あの扉も外側からの魔法で固く閉ざされています。まさか魔法使いの試練に失敗するとこんなところに閉じ込められるなんて、私は魔法使い失格でしょうか」
ルルの記憶が正しければ、話しかけてきたこの金髪の少女はたしかストーンの魔法をゴーレムに使ったがまったく効かなかったときの魔法使いだという。少女のいうことは間違ってはいないのだろうが、ルルは得意の水の魔法でドアを吹き飛ばした。
「えぇ、なんで魔法がつかえるんですか」
「結界はすでに破壊した。さぁ、脱出するわよ」
ルルは先頭を歩いていった。ほかの魔法使いたちもそれについていく。だが、ドアを出たすぐそこに脅威はいた。ドアの向こう側には電気がついてなく、暗闇の中から声がする。
「ほう、魔法が使えるのか!!」
この声を聴いてルルはとっさに対処する。
「金髪のあなた、名前は??」
「え??チルです」
「じゃ、チル。私に合わせて」
「え??え??」
ルルは転移して姿を消した。
「あいつ、どこ行きやがった」
暗闇の中でもその声の主はルルの行先をすぐに追うことができていた。暗闇でなにも見えないチルはなにもすることができず、ただただそこに立っていた。
「アクアスナイプ」
ルルは暗闇の中でも魔力探知で声の主を探知して攻撃をしかけていく。声の主も攻撃を避け、ルルに物理的な攻撃をしかけていく。声の主も魔力探知ができるのだろうか??いくら追いかけてもルルは転移魔法で逃げていく。嫌になった声の主は突っ立っているチルに攻撃をしかけていく。なにもわかっていないチルはただ突っ立っている。
「アクアスナイプ」
チルに向かって行く声の主をルルは狙撃する。
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