魔物研究所
翌日。マッドさんから連絡があり魔物研究所がすこし復興してきたという。ルルの参加する魔法使いの試練は午後からスタートとのことだったから午前の間に魔物研究所を見学させてもらうことにした。
「ようこそ、デューク様」
魔物研究所の前にたどりつくとマッドさんがお出迎えをしてくれていた。建物は相変わらずオスバルト様に襲われた時のままであった。
「安心してください。中身はそこそこ復興しました」
建物を見た俺の心配そうな顔をみて察したのかフォローを入れてきた。
早速研究所の中を案内されていく。研究所の受付を通ったさらに奥へといくとそこには地下につながる階段が用意されていた。
「いいですか、ここから先は我々の管理している魔物がいます。すべての魔物を檻の中で管理をしていますが、万が一もあります。いつでも戦闘の準備をしておいてください」
俺とルルは念のため杖を呼び寄せの呪文で手に持っておく。俺たちの警護についているこのタンクトップの男はいつでも戦闘準備はできているだろう。この三人ならどんな魔物も倒せるような気がしていた。地下へと進むと檻の中にいろんな魔物がいた。ゴブリン、オーク、グールさらには水中にすんでいるクラーケンなど本当に様々な種類がそこにいた。
「このでっかい蛇は??」
興味本位で聞いてみる。
「こいつはバジリスクです。体には猛毒、目を合わせると即死の効果です」
まったく、危なすぎる。
「こうやって見ると一つのテーマパークみたいですね」
ルルがちょっと楽しそうにしていた。やがてある程度奥まで進むと一枚の扉が見えてきた。
「残念ながら復旧できたのはここまでですし、この奥は本格的に研究を行っている、ある意味最高機密がこの中にありますので、いくらルル様やデューク様といえどこの先に通すわけにはいきません」
残念ながら目的のものは得られなかったようだ。こうなればいっそのこと直接聞いてみるのがいいのかもしれない。
「マッドさん。俺はここに杖なしで魔法が使える秘密があるんじゃないかと思ってきたんだ。人間は杖がないと魔法が使えないけど、魔物なら杖なしで使える。そうだろ??」
「デューク様はオスバルト様を倒すためのヒントを探していらっしゃるのですね。でも、この魔物研究所はそこまでオスバルト様に関係はないと思います」
「でも、オスバルト様が魔物研究所を襲った理由って……」
「わかりません。でも、数匹、魔物がいなくなっていることを考えるとそれが目的かもしれません」
会話はここでおわり沈黙になってしまった。そんななか、あの男がこの沈黙をやぶった。
「なぁ、こんだけ復旧できているなら闘技場もできるんじゃないか??」
「残念ながら今用意できる魔物はここに展示されている魔物と用意できる魔物は一種類だけです」
用意できる魔物??またよくわからない言葉がでてきた。
「あぁ、じゃ、その魔物を用意してくれ」
「承知いたしました。スーパーゴブリンを用意いたします」
またまたとんでもないものが出てきそうだ。マッドに案内されるまま俺たちは魔物研究所の屋外に作られている闘技場へと行った。闘技場には10匹のゴブリンが拘束されて置かれていた。
「さぁ、スーパーゴブリンです」
マッドが地面に手を置くと魔法陣が浮き上がってきた。魔法陣が光りだすと10匹のゴブリンが一つの球体となる。ゴブリンの悲鳴のような鳴き声が耳に刺さる。やがて球体は一つの巨大なゴブリンを形作った。
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