連携プレイ
次の日の夜、再び魔物退治のために宿に泊まる。しばらくこの魔物退治の仕事は続くのだろうか。
「あしたはいよいよ魔法使いの試練だ。そろそろ寝とけ」
魔物退治のために夜更かしをしているまじめなルルに向かって言ったのだが、
「言ってるでしょう。デューク様が寝ていないのに、私が寝ないわけにはいきません。それに私はデューク様の弟子です。ちょっとした試練くらいどうにかなります」
なんという自信家なのだろう。こんな子に育てた覚えはないのだが。
「お二人さん、もうちょい、まじめに任務にあたってもらっていいか??」
同じ部屋にもう一人、タンクトップの男が増えていた。本来この部屋は一人が泊まるための部屋なのだが、なぜか一つの部屋に3人もいるのだ。本当、ルルには寝てほしいところだ。
「あなたみたいな変な格好の人には言われたくないです」
まったく、変なキャラの人が増えた。
「ところでデューク様、魔法使いの試練ってどんなことをするんですか?」
「いや、それは自分で見て自分で考えた方がいいだろう。自分の力を試すんだ」
このやり取りは昔の俺とオスバルト様のやり取りまんまだった。昔、師匠にもらった言葉を繰り返しているだけで、俺の中の気持ちというものが無いような気がしてきた。俺はルルに何か伝えられているのだろうか。そんな俺の思考を邪魔するかのように真夜中の静寂を破る大きな音が街中に鳴り響き、それは宿にまで聞こえた。
「きたきたきたきた」
ブルースが窓から飛び出していく。
「本当に変な人」
ルルがボソッとつぶやいた。俺たちは宿の玄関から普通に出ていく。そろそろいい時間だろうか。ブルースのあの足の速さなら。
「ルル、頼んだ」
ルルは魔力探知をしてブルースを探す。俺は認知できている魔法使いや魔物しか探知できないがルルの魔力探知なら一般人でも魔力探知をして誰なのか判別をすることまでできる。ルルは俺の肩に触る。
「はい」
転移魔法で転移した先にはブルースと今日の魔物がいた。これまた不思議な魔物を目にすることになった。今回もやはり人型の魔物だが背中は……栗??だろうか??
「こんくらいのヒョロヒョロのなら俺っちのパンチで一発よ」
ブルース得意の俊足と剛力でイガイガ人間に襲いかかる。
「いたっ!!」
イガイガ人間は背中でブルースの攻撃を受け止める。ブルースの攻撃をもってしても砕くことができないくらいあのイガイガの背中は固いようだ。
「ならば、焼く!!フレイムストリーム」
今度はイガイガ人間は正面をこちらに向ける。魔力を感じる。どうやら防御魔法を発動しているようだ。そうとなれば
「オスバルトのお弟子さんよ、どうやら」
「二人で同時に攻撃するしかないみたいだな」
「俺っちの速度についてこれるんか??」
「俺を誰だと思ってる??」
「パンチ!!」
「フレイムストリーム!!」
俺たち二人の攻撃は息ピッタリだった。しかしイガイガ人間は魔法を正面に、拳を背中で受けた。
「だよな」
「そうするしかないよな」
「アクアスナイプ」
ルルの水の弾丸がイガイガ人間を狙撃する。イガイガ人間はその場に崩れ落ちた。
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