フレイムドラゴンの魔法
トレント人間から放たれた炎に俺は驚いて行動が止まってしまった。炎が顔面に降りかかりそうになる。しまったと思ったとき、俺の周りを水の壁が覆った。
「アクアウォール。デューク様。油断をしている場合じゃないですよ」
全く生意気な弟子だ。あれくらいの攻撃で俺がやられるはずがないだろうが。だが、ルルがいるおかげで一人で一人で戦うよりも思考に集中力をさける。魔物が魔法を使うことはないことはないのだがこのレベルの魔物が魔法を使うだろうか。魔法が使える魔物といえば例えば魔族レベルの知能を持った魔物くらいだ。直感的にこいつは魔族ではなさそうだ。魔族はもっと人間の言葉をしゃべる。ではこの魔物はなんなんだ。荒れ果てた荒野の魔物はレベルが高いとでもいうのか??どうやら街中だけどもう少し本気を出さないといけないみたいだな。
「フレイムドラゴン」
杖から炎が出る。炎はドラゴンの形を作っていく。トレント人間は転移魔法で逃げる。しかしこの炎のドラゴンは転移先まで探知して追尾する。魔力切れのトレント人間は転移をやめて自力で逃げていくようになった。もう少しといったところだろうか。トレント人間は手を構えて魔法を放った。手から水が噴射される。
「俺の炎をなめるな!!」
さっきまでのポンコツ魔法使いとはちがう。俺は最強の魔法使いオスバルト様の弟子だぞ。そんなただの水で俺の炎を消せるわけがなかろう。炎のドラゴンは水を飲みこみ、そのままトレント人間も飲み込んでいった。トレント人間はやはり木だった。炎のドラゴンの中でよく燃えていった。木はやがて燃えて炭となった。そこには燃えカスだけが残った。
「倒せましたね、これは燃えカスですか?変な魔物だったのに燃えてしまえばこれはトレントとあまり変わりませんね」
ルルの言うとおりまぎれもなくそれはトレントのものだった。トレントがツタで攻撃することはあっても魔法を使うということは聞いたことがない。トレントであるがトレントではない何か。こいつの正体は一体なんだったのだろう。もう一つ、俺にとって戦っている最中に気になることがあった。このトレント人間は杖なしで魔法を使っていたというところだ。魔物や魔族は普通に杖がなくても魔法を使うが、こいつは人間の形をしていた。もしかしたらオスバルト様はこれと同類の生物ではないかという可能性を少し考えていた。これはいつか荒れ果てた荒野に言って調査をする必要がありそうだ。
「さすが、見事な戦いでした。これがオスバルト様の弟子の力なのですね」
拍手をしながらマッドさんはこちらに近づいてきた。
「こんなかんじの魔物が毎晩のように来るから街の修復が追い付いていないのが現状です。とりあえず今晩の被害は少なめですみました。ありがとうございます」
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