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グランダートの異変

 全く嫌な夢をみた。俺の隣を歩いているルルを見るたびにあの夢のことを思い出すじゃないか。まぁ、どんな敵であろうと俺がそれを倒せばいいだけだ。


「デューク様、顔色がすこし悪そうですがどうかいたしましたか?」


まったくこの少女はいいタイミングで話しかけてくる。


「なんでもないさ。それより、そろそろグランダートにつくよ」


話題を無理矢理変えた。ちょうどグランダートの外壁が見えてきたところだ。グランダートの茶色い外壁は東街道ののどかな空気には似つかわしくなく、いい意味で目立っている。空気感が変わるとでもいうのだろうか。グランダートの街は土の魔法を使う魔法使いが多いためかこの茶色がよく似合う。俺とルルは早速、門まで向かう。


「王都から来たデュークだ」


国王様からもらった通行許可証を見せて門を通る。これがないと通行料に銀貨1枚もとられてしまうのだ。


門を通るとすぐにルルがしゃがみこんだ。


「デューク様。この街、変です」


たしかに言われてみれば人の表情は暗かった。いかにも不幸ですって感じの顔をしていた。茶色の外壁や建物の無機質な感じがより一層悲しさを増加させる。しかしその原因を突き止める気もなかったし、面倒ごとに関わるのは嫌だなという気持ちのほうが強かった。


「とりあえず行こう。俺たちの目的は魔物研究所と魔法使いの試練だ」


そういってしゃがみこむルルに手を貸す。ルルは手を取って立ち上がった。俺とルルは魔物研究所へと向かう。ところどころ壊れている建物があったりするのだがそれも全部無視した。しかし俺たちが次に見たものは全く無視できるものではなかった。魔物研究所の建物もボロボロになっていたのだ。


「一体、この街になにが…」


研究所の中から一人の男がでてきた。


「デューク様ですね。お久しぶりです」


中から出てきた男は魔物研究所の所長マッドだった。


「マッドさん、これは一体…」


「オスバルト様に襲撃されました」


予想もしない言葉に驚いた。魔王になっただけのことはあって魔王らしいことをしっかりやっているじゃないか。しかしこの言葉は嬉しい一面もあった。なぜオスバルト様がこの魔物研究所を襲ったのか。それはこの魔物研究所に見られてはいけないものがあったからではないだろうか。俺の予想が正しいのであればそれはオスバルト様の杖なしの魔法の秘密がやはりここにあって魔物に関係があるのではないだろうか。


「他の建物もオスバルト様が?」


ルルが最もな質問を投げかけた。


「いえ、それは、グランダートから北にある荒れ果てた荒野に生息している魔物の仕業だと考えられています。最近、夜になると外壁を超えて魔物が侵入してくるようになったのです。誰か魔物に餌でも与えてそれを求めているんですかね……。狙われている建物に宿屋が多いところを見ると食べ物を探し求めている感じがします」


なるほどな。まさか餌をもらって野生として生きていくことができなくなった魔物か。


「荒れ果てた荒野の魔物となると相当強い魔物になりますね。私がいる間、そいつらを追い払う手伝いをさせてください」


「ありがとうございます。あのオスバルト様の弟子がいてくれれば百人力ですよ」


「その代わりといってはなんだが、研究所をすこし見学させてほしい」


「まぁ、いいんですけど保管していた魔物のほとんどがオスバルト様に回収されちゃいましたよ」


そんなこともやっていたのか師匠。おそらく杖なしの魔法のことを隠すためのカモフラージュか。とりあえず研究所に入れるようになっただけでも大きな成果だ。


「かまわない」


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