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手がかりを探しに

結局、図書館でおれの探しているものは見つからなかった。まぁ、杖無しで魔法を使う方法が書いてある書物があったとして、絶対に誰かがそれを実行するのだろうから、オスバルト様以外で杖を使わずに魔法を使う魔法使いがいない時点でそれはそういうことなのだ。しかし、手がかりは見つけた。図書館でのルルとの会話の中にそれはあった。魔物なら杖なしで魔法を使える。このひらめきは斬新なものだった。つまりそれは、オスバルト様が魔物であるということだ。魔物型の人間なのか魔物と人間のキメラなのかそれ以外なのかどれが正しい答えなのかはわからない。突拍子もない発想であることもわかっている。可能性も低いだろう。しかし、おれの中にはこの言葉が思い出される。


「失敗してもそれは無駄ではない。それはちがったという結果が得られるのだ。失敗から何も得ないことは愚か者のやることだ」


オスバルト様の言葉だった。


というわけで俺たちは魔物研究所に向かうことにした。魔物研究所はその名の通り、魔物を研究している施設だ。魔物大全はこの施設の研究者兼所長マッドが出版したものだ。つまり魔物に関することを聞くのならここが一番ということだ。魔物研究所は王都から東街道を進んだところにある街、グランダートにある。街道には王国の兵士がついているため安心して進めるわけなのだが念には念を。今日は旅の準備の日というわけだ。とりそろえるべきものはルルにメモで渡して買い出しに行ってもらっている。俺は長旅に出る前には必ず行くところにこれから向かう。王都の北東に位置する死者の眠る庭園。ここにはおれの母が埋葬されている。母は昔から病弱な体質だった。俺は幼いながらに母のことを看病したいと思い母のそばによくいたのだが母のいうことはいつもこうだった。


「子どもは外で遊びなさい」


その言葉に従っておれは外でとても遊んだというわけだ。


「母さん、行ってきます!!」


「いってらっしゃい」



母はいつも温かく送り出してくれる。本当は自分の体を蝕む病で全身に耐えられない痛みが走っているはずなのに。

広く自由に遊ぶためには強くなる必要がありそのためにおれは自ら魔法を学んで今に至る。そんな助言をくれる母は病気によって他界してしまった。いまでもおれの心の中に母の言葉が残り続ける、困ったときに道を照らしてくれるのは母の言葉だ。


「母さん、本当に小さい、小さな手がかりを見つけたんだ。行ってくるよ手がかりを探しに」


母の墓の前で手を合わせる。かつてオスバルト様と魔王を倒す旅に出る前にもここで手を合わせた。その度母が


「しっかりと気張って。いってらっしゃい」


そんなことを言ってくれる気がするのだ。俺は小さく


「行ってきます」


そう呟いて墓をあとにした。


翌日、ルルと待ち合わせの東門前。ルルは俺よりもはやく東門に待機していた。


「買い出しはできたか?」


「はい、デューク様の指定したものを買いそろえました」


魔法使いの旅は荷物は身軽だ。呼び寄せの魔法で必要なアイテムを用意できるからだ。杖さえあればほとんどのことができる。それが俺たち魔法使いだ。


「ではいくぞ」


東門にて手続きを行う。国王様から自由に門を出入りする許可をもらっているためここはすぐに突破できる。ルルが国王様の娘であることに番兵は驚いていた様子だがそれも国王様の許可が出ていることがすぐに確認でき東門を出た。


いよいよ俺たちの旅が始まるのであった。


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ぜひ、よろしくお願いいたします。


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