機械自治区の歴史
ルルとボスの戦いは続く。しかしルルの攻撃はすべてボスの右手で吸収されてしまう。
「王女様よ、どうして俺たちが国に、魔法使いにあらがうか知ってるか??」
時はかなり昔にさかのぼる。これはまだ国ができるよりも前の話だ。一人の勇者が世界を救うところから話は始まる。これからの世界の危機に対抗するために民たちは王を求めた。勇者は王としてこの世界に君臨することになる。勇者が王だったとき世界はずっと平和を保った状態だった。このころ、一般人も強くなりたいと考えて体術を極める人間も現れ始めた。王様から魔法や体術を教わってみんながみんな力をつけていた。それでも魔法使いの圧倒的な力にはだれも勝てない。そんな状態が続いていた。しかし、王も人間だった。いつか寿命がくる。王はそれまでの人生で4人の子どもを携えていた。名前はグラン、ヴァーテル、リーフ、フラム。王は4人に国を継いでもらうために、国を4等分に分けた。これがこの世界に起こる不幸の始まりとなる。さらに4人の兄弟の仲もとくによくなかった。とくに次女のリーフ。4人の中で唯一魔法が使えなかった彼女は劣等感をどこかで抱いていた。しかし、1つの国を任された彼女は他の3つの国と張り合うために機械という兵器を用いて戦うことになる。もともと勇者が現れる前まで機械兵器をメインの戦力として使っていたから十分なノウハウはあった。3つの国と十分に渡り合ってきた。しかし、それも長くは続かなかった。魔法の研究の方が機械の研究を上回ってしまう。数百年後の戦争でリーフが作った国は崩壊する。それでも魔法使いに強く反発しようとするリーフの国の残党が立ち上げたのが機械自治区だ。
「はい。もちろん知っています。王家にちゃんとその話も伝わっています。でもあなたたちは1つ勘違いをしています」
ボスは銃弾を放つ。
「勘違いだなんて言って、俺たちをだまそうとするんだな」
ボスはルルに向かって両手を構える。すべての指先から銃口が見える。
「王女様には弾丸の雨がお似合いだ」
ボスの指先からマシンガンのように大量の銃弾が放たれていく。
「アクアウォール」
ルルは水の壁を展開する。銃弾は勢いを失ってルルの足元に落ちていく。戦闘は完全にルルの防戦一方だった。
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