ルルvsボス
時は遡る。デュークが機械自治区の砦を出発したあとのことだ。
「いよいよ総力戦ですね」
ルルは遠くを見つめながら言う。
「王女様はやっぱりこういうことは嫌いか??」
「はい。避けることができるのであればこういったことはしたくないです。国民の血が流れることは決してあってはありません。父からもそう教わってきました」
「その国民の中に俺たちは含まれてるのか??」
「私は……」
ルルは言葉を飲んだ。
「ほらな。俺たちはどうせこうなんだ。だから俺たちは自分たちで生きるための手段を見つけるひつようがある。そのための兵器だ」
「あなたたちは大きな誤解を…」
ルルの言葉を遮るようにして部屋のドアが開く音がした。人の声をかき消すことができるほどの大きな音だった。
「戦況報告です」
「ドアはノックしてから開けるのが礼儀だろうが」
「失礼いたしました。しかし、急を要する報告です。デュークが裏切りました。それだけでなくシンとミルもなぜか我々を攻撃してきます」
「やっぱりか……それに…レジスタンスか」
ボスは左手で頭を抱える。右手はルルの方に向けた。ルルは咄嗟に防御魔法を展開する。同時に、ボスの右手の人差し指から銃弾が放たれた。銃弾は防御魔法を貫通するが、威力が落ちてルルの体にまではたどりつかなかった。
「お前、戦闘経験が少ないな。教えてやるよ。防御魔法は物質的な攻撃を防ぐには少し弱いんだ
。俺たちはその弱点をついて防御魔法を破壊する物質を詰んだ銃弾を使っている。普通の人間なら防御魔法を展開しても完全に貫通して体を射抜く。そこはさすが王女様ってところか」
ルルは次からは防御魔法が使えないということを悟った。転移魔法で攻撃を避けるしかない。
「さて、王女様を人質としてたのに裏切るなんて相当なやつだな。あいつは。魔王の弟子だから国王の娘が死んでもなにも気にしないんだろうな」
「そうじゃない」
ルルは大きく息を吸う。
「そうじゃない!!デューク様は、私を信じてるからこそ、こういう動きをしたんだ!!アクアストリーム」
ボスは右手をルルの水の魔法に向かってかざす。魔法は右手によって吸収されてしまった。さらにボスは右手をルルに向ける。ルルが放ったのと同じくらいの水魔法がルルに向かって放たれる。ルルは防御魔法を展開して水を防ごうとする。しかし、咄嗟の判断でルルは転移魔法でボスの後ろへと転移した。
「ほう、水に紛れた銃弾を見つけたか。多少はやるな」
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