総攻撃
なんだかよくわからないが、シンとミル、そしてライの3人にはいろいろな因縁があるようだ。ここは王国軍の勝利のためにも俺たちが手を貸すのがよいだろう。それにこの赤い機械兵が魔法をつかうというのならばそれはもはや魔法使いを相手にするのときっと同じだ。ちょっと大きな魔法使い。そう考えればおれでも相手ができる気がしてきた。
「手を貸すぞ。シン。フレイムストリーム」
俺は杖を呼び寄せてそのまま攻撃に移った。赤い機械兵は槍を持っていない左手を炎に向けてかざす。俺の炎はその左手によって吸収されてしまった。これは機械兵1型でみたやつだ。こいつもそれを持っているのか。
「機械兵2型は機械兵の最高傑作だよぉ。私たちの完全上位互換だよ」
ミルがいつもののんきな口調で言う。しかし、そんな場合ではない。そんな口調とこの状況はなにもあっていない。機械兵2型が再び動き出す。先ほどの左手を俺に向けてかざす。左手から炎が放たれる。これは、俺のさっきの攻撃か。どうやらこいつは魔法を吸収してそれをまた吐き出すことができるみたいだ。俺は防御魔法を展開して他のみんなを攻撃から守る。どうやら俺の魔法攻撃は正面からはきかないようだ。
「おい、こいつはなかなかの敵だ。みんなで力を合わせてやるぞ」
「当たり前」
「当たり前ぞ」
「当たり前」
「当たり前です」
「当たり前だぜ」
「当たり前だよ」
「作戦は…」
俺が作戦を伝えようとしたときにはすでにみんながそれぞれで動き出していた。まぁ、実際のところそれぞれが全力でこいつを叩くしかない。全員で挑んでも五分五分といったところだろう。体術組で全力で挑んでもらって俺とメイが隙を見て攻撃を与える。さっきみたいに魔法攻撃を吸収して跳ね返されるようなことがあれば俺たちに甚大なダメージをくらう。ミスは許されない。
シンとミルが赤い機械兵に襲い掛かる。しかしこの攻撃は右手に持っていた槍で止められてしまう。槍の両端にふたりの攻撃が当たる。
「高速回転斧技新月!!」
「居合一閃」
アックスとリンが攻撃にかかる。狙いはもちろん左手だ。俺とメイの魔法攻撃を当てるために動いてくれている。アックスは回転しながら左手に向かって動く。リンは左手までジャンプをしていた。5m~6mくらいある手までただのジャンプで動くだなんてリンはどんな身体能力をしているのか。これはサラの魔法によるものなのだろうか。しかし二人の攻撃も無駄に終わる。赤い機械兵の手の甲から大砲が現れた。さすがロボットということか。全身に武器を仕込んでいるんだろうな。左手に向かって飛んでいた二人は大砲に向かって飛んでいくことになった。結果として二人は大砲から放たれる弾を喰らうことになる。
「ストーンバレット」
メイが攻撃を仕掛ける。当然、左手で吸収する。魔力で作った石も魔力に還元されて吸収されている。それでもメイは攻撃をし続ける。メイの攻撃を吸収し続けるために左手をメイの攻撃に対してずっと使っている。今ならいけるだろう。
「フレイムドラゴン」
俺の炎が龍の形を作り赤い機械兵に襲い掛かる。ここだ。左手を封じた今ならいける。背中に向けてドラゴンは襲い掛かる。
「まったく、どの攻撃も手ごたえがないな」
ライは余裕そうだった。
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